日本国憲法と基本的人権
用語集
- 「宴のあと」事件
- 三島由紀夫の小説「宴のあと」をめぐり、モデルとされた人物が出版社らを訴えた裁判。1964年、東京地方裁判所が日本で初めてプライバシー権を法的権利として認めた。 (プライバシー権)
- 「石に泳ぐ魚」事件
- 柳美里の小説をめぐり、モデルとされた人物が出版差し止め等を求めた裁判。2002年、最高裁判所がプライバシー侵害を理由に小説の出版差し止めを認めた。 (プライバシー権)
- GHQ(連合国軍総司令部)
- 第二次世界大戦後、日本を占領し民主化政策を指導した機関。最高司令官はマッカーサー。 (大日本帝国憲法から日本国憲法へ)
- MSA協定(日米相互防衛援助協定)
- 1954年に日本とアメリカの間で結ばれた協定。アメリカからの援助を受ける見返りに、日本が防衛力を増強する義務を負った。 (自衛隊の歴史(警察予備隊から自衛隊へ))
- PKO協力法(国連平和維持活動協力法)
- 正式名称は国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律。1992年に成立し、自衛隊が国連の平和維持活動(PKO)に参加することを可能にした法律。停戦合意の存在や紛争当事者の受け入れ同意など、参加にあたっての原則(PKO参加5原則)が定められている。 (PKO協力法と国際貢献)
- アイヌ民族支援法
- 2019年に制定された、アイヌを先住民族と法律上初めて明記し、その文化の維持・振興を推進することなどを目的とする法律。1997年制定のアイヌ文化振興法を発展させたもの。 (法の下の平等と主要な違憲判決)
- アカウンタビリティ(説明責任)
- 政府や行政機関が、自らの活動内容を国民に説明する責任のこと。情報公開制度の理念的な基盤となる考え方。 (知る権利)
- アクセス権
- 情報の受け手である国民が、情報の送り手であるマスメディアに対して、自己の意見発表の場の提供を要求する権利。 (アクセス権・自己決定権)
- アメリカ同時多発テロ
- 2001年9月11日、アメリカ国内で発生した大規模なテロ事件。これを受けてアメリカはアフガニスタンなどでの「対テロ戦争」を開始し、日本もこれに協力するための法整備を行った。 (テロ対策特別措置法とイラク復興支援特別措置法)
- イラク復興支援特別措置法
- 2003年のイラク戦争を受けて同年に成立した時限立法。非戦闘地域に限定して自衛隊を派遣し、イラクの人道復興支援や安全確保支援活動を行うことを可能にした。この法律に基づき、陸上自衛隊がサマワなどに派遣された。 (テロ対策特別措置法とイラク復興支援特別措置法)
- インフォームド・コンセント
- 医師が患者に対し、病状や治療方法について十分な説明を行い、患者の同意を得たうえで治療を行うべきだという考え方。自己決定権の代表的な現れとされる。 (アクセス権・自己決定権)
- カンボジアPKO
- 1992年、PKO協力法の制定を受けて、自衛隊が初めて本格的に参加した国連平和維持活動。道路・橋の修復などの後方支援業務を中心に活動した。 (PKO協力法と国際貢献)
- サンフランシスコ平和条約
- 1951年、日本と西側48カ国との間で結ばれた講和条約。この条約の発効(1952年)により、GHQによる占領が終わり、日本は主権を回復した。ソ連・中国などは条約に参加しておらず、「全面講和」ではなく「単独講和(片面講和)」であったと批判された。 (サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約)
- テロ対策特別措置法
- 2001年のアメリカ同時多発テロを受けて同年に成立した時限立法。自衛隊がインド洋で、対テロ活動を行う各国艦船への給油支援などの後方支援活動を行うことを可能にした。 (テロ対策特別措置法とイラク復興支援特別措置法)
- プライバシー権
- 私生活をみだりに公開されない権利として出発し、現代では自己に関する情報をコントロールする権利(自己情報コントロール権)として理解されるようになった権利。 (プライバシー権)
- プログラム規定説
- 25条の生存権規定は、国が実現に努力すべき政策的な指針・目標(プログラム)を示したものにすぎず、個々の国民に対して裁判で主張できる具体的な権利を直接保障したものではない、とする考え方。 (生存権とプログラム規定説)
- マイナンバー法(共通番号法)
- 国民一人ひとりに個人番号(マイナンバー)を付け、社会保障・税に関する情報を効率的に管理する制度を定めた法律。2013年に制定され、2015年から個人番号の通知が始まった。 (プライバシー権)
- マッカーサー三原則
- GHQが憲法草案作成にあたって示した3つの原則。①天皇は国の元首、②戦争放棄(戦力不保持)、③封建制度の廃止、の3つ。 (大日本帝国憲法から日本国憲法へ)
- マッカーサー草案
- 松本案を拒否したGHQが、みずから作成して日本政府に提示した憲法草案。この草案をもとに日本国憲法が制定された。 (大日本帝国憲法から日本国憲法へ)
- 安保闘争
- 1960年の新安保条約の改定・批准をめぐり、条約への反対運動が全国的な規模で広がった政治的対立のこと。国会は激しい混乱の中で条約を自然承認し、岸信介内閣は条約発効後に総辞職した。 (サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約)
- 環境基本法
- 公害対策基本法に代わって1993年に制定された、環境保全に関する国の基本的な施策の方向性を定めた法律。 (環境権)
- 環境権
- 健康で安全・快適な環境の中で生活する権利。憲法に明文の規定はなく、主に13条(幸福追求権)と25条(生存権)を根拠に主張される「新しい人権」の一つ。 (環境権)
- 基本的人権の尊重
- 人が生まれながらにしてもつ、侵すことのできない永久の権利を尊重するという原理(11条・97条)。 (日本国憲法の三大原則と最高法規性)
- 義務教育の無償
- 26条2項後段が定める、義務教育については授業料を徴収しないという原則のこと。 (教育を受ける権利)
- 居住・移転の自由
- 22条1項で保障される、自分の住所を自由に決め、移動することができる自由。 (経済の自由(居住移転・職業選択・財産権))
- 教育を受けさせる義務
- 26条2項が定める、保護者が子に普通教育を受けさせる義務のこと。子ども自身の「教育を受ける権利」を実現するための、保護者に対する義務である。 (教育を受ける権利)
- 教育を受ける権利
- 日本国憲法26条1項が保障する、「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利」のこと。生存権と並ぶ社会権の一つで、教育の機会均等を保障する。 (教育を受ける権利)
- 教育基本法
- 教育の目的・理念や、教育を受ける権利・義務教育などについて定めた法律。1947年に日本国憲法の精神にもとづいて制定された。 (教育を受ける権利)
- 勤労の権利
- 27条1項が保障する、働く意思と能力のある者が国に対して働く機会の提供を求めることができる権利のこと。 (労働基本権(労働三権と労働三法))
- 欽定憲法
- 君主(天皇)が定める形式の憲法のこと。大日本帝国憲法はこの形式をとる。 (大日本帝国憲法から日本国憲法へ)
- 恵庭事件
- 自衛隊演習による被害に抗議した住民が演習用通信線を切断し自衛隊法違反で起訴された事件。札幌地裁は、切断物が自衛隊法上の「防衛の用に供する物」に該当しないとして無罪とし、自衛隊の合憲性そのものには判断を示さなかった。 (憲法9条をめぐる主要訴訟と統治行為論)
- 警察予備隊
- 1950年、朝鮮戦争勃発を受けてGHQの指示により発足した組織。日本国内の治安維持を目的とした、自衛隊の前身にあたる。 (自衛隊の歴史(警察予備隊から自衛隊へ))
- 検閲
- 公権力が、表現内容を発表前にあらかじめ審査し、不適当と認めるものの発表を禁止すること。憲法21条2項によって、公共の福祉を理由とする例外も認められない絶対的な禁止とされている。 (精神の自由とその判例)
- 個人情報保護法
- 個人情報を取り扱う事業者に対し、その適正な取得・利用・管理を義務付ける法律。2003年に制定された。 (プライバシー権)
- 個別的自衛権
- 他国からの侵略行為に対して、自国を守るために防衛行動をとる権利。 (憲法9条と戦争放棄)
- 個別的自衛権
- 自国が他国から武力攻撃を受けた際に、自国を防衛するために必要な実力を行使する権利のこと。国際法上、すべての国家に認められている権利である。 (集団的自衛権と安全保障関連法(2015年))
- 交戦権の否認
- 9条2項が定める、国が戦争を行う権利(交戦権)を認めないという原則。 (憲法9条と戦争放棄)
- 公共の福祉
- 人権相互の矛盾・衝突を調整するための実質的公平の原理。経済の自由については、社会全体の利益や弱者保護といった政策的な目的のための、より強い制約の根拠としても用いられる。 (経済の自由(居住移転・職業選択・財産権))
- 公布と施行
- 公布とは制定された法令を国民に広く知らせること、施行とは実際にその法令の効力が発生し使われ始めることをいう。日本国憲法は1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行された。 (大日本帝国憲法から日本国憲法へ)
- 公務員の選定・罷免権
- 15条1項が定める、公務員を選定し、罷免することは国民固有の権利であるという規定。国民主権の原理を具体化したもの。 (参政権・請願権・国務請求権)
- 硬性憲法
- 通常の法律よりも厳格な手続きを経なければ改正できない憲法のこと。日本国憲法は96条で厳格な改正手続きを定めているため硬性憲法にあたる。 (日本国憲法の三大原則と最高法規性)
- 国際人権規約
- 世界人権宣言の内容を条約化し、各国を法的に拘束するものとして具体化した国際条約。1966年に国連総会で採択された。 (アクセス権・自己決定権)
- 国際平和支援法
- 2015年、平和安全法制の一環として新たに制定された法律。従来のテロ対策特別措置法やイラク復興支援特別措置法のような時限立法によらず、国会の承認を得ることなどを条件に、その都度、他国軍への後方支援を随時可能にする恒久法。 (集団的自衛権と安全保障関連法(2015年))
- 国民主権
- 国の政治のあり方を最終的に決める権限(主権)が国民にあるという原理。日本国憲法前文と1条に規定されている。 (日本国憲法の三大原則と最高法規性)
- 国民審査
- 最高裁判所の裁判官が適任かどうかを、国民が直接投票によって審査する制度。79条2項・3項に規定がある。 (参政権・請願権・国務請求権)
- 国民投票
- 国会が発議した憲法改正案について、国民が直接賛否を投票する制度。過半数の賛成で憲法改正が成立する。 (日本国憲法の三大原則と最高法規性)
- 国務請求権(受益権)
- 国民が国に対して一定の行為を積極的に請求できる権利の総称。国家賠償請求権(17条)、裁判を受ける権利(32条)、刑事補償請求権(40条)などを含む。 (参政権・請願権・国務請求権)
- 国立市マンション訴訟
- 東京都国立市で高層マンションが建設されたことに対し、周辺住民が良好な景観の利益(景観利益)の侵害を主張した訴訟。最高裁は2006年、景観利益そのものは法的保護に値すると認めたが、住民側の請求は退けた。 (環境権)
- 婚外子(非嫡出子)相続分差別違憲決定
- 最高裁が2013年に、婚外子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする民法900条4号ただし書の規定を、14条の法の下の平等に違反すると判断した決定。 (法の下の平等と主要な違憲判決)
- 砂川事件
- 在日米軍基地拡張に反対するデモ隊が基地内に立ち入り、日米安全保障条約(米軍駐留)が9条違反かが争われた事件。最高裁は統治行為論により憲法判断を回避した。 (憲法9条をめぐる主要訴訟と統治行為論)
- 再審制度
- 有罪の判決が確定した後に、無罪を言い渡すべき明らかな新証拠が発見されるなどした場合に、裁判をやり直す制度。 (身体の自由と刑事手続き上の権利)
- 最高法規
- 国のすべての法(法律・命令・条例など)の中で最も強い効力をもつ規範のこと。日本国憲法98条は、憲法に反する法律・命令等は効力を有しないと定めている。 (日本国憲法の三大原則と最高法規性)
- 裁判権(刑事裁判権)
- 犯罪を犯した者を裁判にかけ、処罰する権限のこと。日米地位協定では、米兵が公務中に起こした事件と公務外に起こした事件とで、日本とアメリカのどちらが優先的に裁判権を行使するかについて、複雑な取り決めがなされている。 (日米地位協定と基地問題)
- 罪刑法定主義
- どのような行為が犯罪となり、それに対してどのような刑罰が科されるかは、あらかじめ国会が制定した法律(成文法)で定めておかなければならないとする原則。31条の適正手続きの保障は、この原則の根拠規定の一つとされる。 (身体の自由と刑事手続き上の権利)
- 財産権
- 29条で保障される、自己の財産を所有し、自由に使用・収益・処分できる権利。29条2項は、財産権の内容が公共の福祉に適合するよう法律で定めると規定している。 (経済の自由(居住移転・職業選択・財産権))
- 参政権
- 国民が政治に参加する権利の総称。選挙権・被選挙権や、公務員の選定・罷免権(15条)などを含む。 (参政権・請願権・国務請求権)
- 思いやり予算
- 在日米軍の駐留経費のうち、日米地位協定上本来アメリカ側が負担すべきとされる部分を超えて、日本側が自主的・好意的に負担している経費の通称。 (事前協議制度と思いやり予算)
- 事前協議制度
- 1960年の新安保条約で導入された仕組み。在日米軍の配置・装備の重要な変更や、日本国内の基地から行われる戦闘作戦行動について、実施前に日米間で協議することを取り決めたもの。ただし、実際にこの制度が発動されたことはないとされる。 (事前協議制度と思いやり予算)
- 自衛隊
- 1954年、自衛隊法の制定により保安隊を改組して発足した組織。同時に防衛庁(現在の防衛省)も設置された。 (自衛隊の歴史(警察予備隊から自衛隊へ))
- 自己決定権
- 自分の生き方・生活の仕方について、公権力から干渉されることなく自ら決定する権利。 (アクセス権・自己決定権)
- 周辺事態法
- 1999年に制定された法律。「日本周辺地域における、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態(周辺事態)」において、自衛隊が米軍などへの後方地域支援を行うことを定めた。2015年に地理的な制約を撤廃して重要影響事態法に改正された。 (有事法制(武力攻撃事態法と国民保護法))
- 集団的自衛権
- ある国が侵略された場合に、その国と同盟関係にある国々が、自国の安全に対する脅威とみなして共同して防衛にあたる権利。 (憲法9条と戦争放棄)
- 集団的自衛権
- 自国が直接攻撃を受けていなくても、自国と密接な関係にある他国が武力攻撃を受けた場合に、その国を防衛するために共同して実力を行使する権利のこと。 (集団的自衛権と安全保障関連法(2015年))
- 重要影響事態法
- 2015年、周辺事態法を改正して成立した法律。「そのまま放置すれば日本への武力攻撃に至るおそれがある事態など、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態(重要影響事態)」において後方支援を可能にするもので、周辺事態法にあった「日本周辺」という地理的な制約が撤廃された。 (有事法制(武力攻撃事態法と国民保護法))
- 松本案
- 日本政府(松本烝治国務大臣を中心とする憲法問題調査委員会)が作成した憲法改正案。天皇主権を維持するなど内容が保守的すぎるとしてGHQに拒否された。 (大日本帝国憲法から日本国憲法へ)
- 情報リテラシー(メディアリテラシー)
- 情報を主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜いたうえで適切に活用する能力。 (アクセス権・自己決定権)
- 情報公開法
- 国の行政機関が保有する情報を、何人も開示請求できることを定めた法律。1999年に制定され、2001年に施行された。 (知る権利)
- 職業選択の自由
- 22条1項で保障される、自分が従事する職業を自由に選ぶことができる自由。選んだ職業を実際に遂行する自由(営業の自由)も含まれるとされる。 (経済の自由(居住移転・職業選択・財産権))
- 新三要件
- 2014年の閣議決定で示された、自衛権発動の新しい要件。わが国の存立が脅かされ、国民の生命・自由・幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合など、一定の場合に限って集団的自衛権の限定的な行使を認めるもの。 (集団的自衛権と安全保障関連法(2015年))
- 世界人権宣言
- 1948年に国連総会で採択された、人類が達成すべき人権の共通の基準を示す宣言。加盟国に対する法的拘束力は持たない。 (アクセス権・自己決定権)
- 政教分離の原則
- 国及びその機関が、特定の宗教を援助したり弾圧したりせず、宗教に対して中立の立場を保つべきとする原則。憲法20条(信教の自由・国の宗教的活動の禁止)と89条(宗教団体への公金支出の禁止)によって具体化されている。 (精神の自由とその判例)
- 生存権
- 日本国憲法25条1項が保障する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」のこと。社会権の中心となる権利。 (生存権とプログラム規定説)
- 請願権
- 16条が保障する、国や地方公共団体に対して、損害の救済や法律の制定・改廃などを求めて、平穏に要望を申し出る権利のこと。 (参政権・請願権・国務請求権)
- 専守防衛
- 相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめるという、日本の防衛の基本方針。 (憲法9条と戦争放棄)
- 戦争放棄
- 9条1項が定める、国際紛争を解決する手段としての戦争、武力による威嚇・武力の行使を永久に放棄するという原則。 (憲法9条と戦争放棄)
- 戦力不保持
- 9条2項が定める、陸海空軍その他の戦力を保持しないという原則。 (憲法9条と戦争放棄)
- 遡及処罰の禁止
- 実行の時に適法であった行為について、後から制定された法律にさかのぼって刑事上の責任を問うことを禁止する原則。39条前段で定められる。 (身体の自由と刑事手続き上の権利)
- 尊属殺重罰規定違憲判決
- 最高裁が1973年に、尊属殺人に死刑又は無期懲役のみを科すと定めていた刑法200条を、14条の法の下の平等に違反すると判断した判決。 (法の下の平等と主要な違憲判決)
- 大学の自治
- 学問の自由(23条)を実質的に保障するため、大学の教員人事・施設管理・学生の管理などについて、大学自身の自主的な判断に委ねられるべきとする原則。 (精神の自由とその判例)
- 大阪国際空港公害訴訟
- 大阪国際空港(伊丹空港)周辺の住民が、夜間飛行の差し止めと損害賠償を求めた訴訟。最高裁は1981年、差し止め請求は認めず、過去の損害賠償のみを認めた。 (環境権)
- 団結権
- 労働者が労働組合を結成し、それに加入する権利のこと。労働三権の一つ。 (労働基本権(労働三権と労働三法))
- 団体交渉権
- 労働組合が、労働条件の改善などについて、使用者と対等な立場で交渉する権利のこと。労働三権の一つ。 (労働基本権(労働三権と労働三法))
- 団体行動権(争議権)
- ストライキなどの争議行為を行う権利のこと。労働三権の一つ。 (労働基本権(労働三権と労働三法))
- 知る権利
- 国や地方公共団体などが持っている情報の公開を求める権利。憲法に明文の規定はなく、主に第21条の表現の自由(情報を受け取る自由)を根拠とし、国民主権を実質的に支えるものとされる。 (知る権利)
- 知的財産権(知的所有権)
- 著作物・デザイン・発明などの創作的な成果や功績を、創作者の財産として保護するための諸権利の総称。 (アクセス権・自己決定権)
- 朝日訴訟
- 生活保護の基準額が「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するのに低すぎるとして、原告・朝日茂が争った訴訟。最高裁は1967年、原告の死亡により訴訟自体は終了したと判断したが、傍論でプログラム規定説的な立場を示した。 (生存権とプログラム規定説)
- 長沼ナイキ基地訴訟
- 保安林指定解除処分の取消を求めて住民が争った訴訟。第一審の札幌地裁は自衛隊を「戦力」に該当し違憲と判断したが、高裁・最高裁は訴えの利益がないとして憲法判断を回避した。 (憲法9条をめぐる主要訴訟と統治行為論)
- 直接民主制的な権利
- 間接民主制(代表民主制)を基本とする日本国憲法の中で、例外的に国民が直接意思決定に参加する仕組みのこと。最高裁判所裁判官の国民審査(79条)、地方特別法の住民投票(95条)、憲法改正の国民投票(96条)の3つが代表例。 (参政権・請願権・国務請求権)
- 統治行為論
- 高度の政治性を有する国家行為については、たとえ法的判断が理論上可能であっても、司法審査の対象外とする考え方。砂川事件で最高裁が採用した論理。 (憲法9条をめぐる主要訴訟と統治行為論)
- 特定秘密保護法
- 防衛・外交など、国の安全保障に関わる情報のうち特に秘匿の必要性が高いものを「特定秘密」に指定し、その漏洩を防止することを目的とする法律。2013年に制定された。 (知る権利)
- 軟性憲法
- 通常の法律と同じ手続きで改正できる憲法のこと。 (日本国憲法の三大原則と最高法規性)
- 二重の基準論
- 精神的自由を規制する法律は、経済的自由を規制する法律よりも厳格な基準で違憲審査すべきとする考え方。精神的自由は民主政治の過程そのものを支える自由であるのに対し、経済的自由は裁判所より専門的知見を持つ立法府の判断を尊重すべき場面が多いことなどが理由とされる。 (経済の自由(居住移転・職業選択・財産権))
- 二重処罰の禁止(一事不再理)
- 同一の犯罪について、確定判決を経た後に重ねて刑事上の責任を問われないとする原則。39条後段で定められる。 (身体の自由と刑事手続き上の権利)
- 日米安全保障条約(旧安保)
- 1951年、サンフランシスコ平和条約と同じ日に結ばれた条約。占領終結後もアメリカ軍が日本国内に駐留することを認めたが、アメリカの日本防衛義務は明記されておらず、内容が日本にとって一方的(片務的)であるという問題を抱えていた。 (サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約)
- 日米相互協力及び安全保障条約(新安保)
- 1960年、岸信介内閣のもとで旧安保条約を改定して結ばれた条約。日本の施政下にある領域が攻撃を受けた場合のアメリカの防衛義務(第5条)を明記し、双務性を強めた。あわせて事前協議制度も導入された。 (サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約)
- 日米地位協定
- 1960年、新安保条約とあわせて結ばれた協定。在日米軍が日本国内でどのような法的地位に置かれるか(基地の使用、施設・区域の提供、米兵やその家族の裁判権の扱いなど)を具体的に定めている。 (日米地位協定と基地問題)
- 犯罪被害者基本法
- 犯罪被害者やその家族の権利・利益を守るため、2004年に制定された法律。被害者参加制度など、被害者の権利を具体化する制度整備の根拠となっている。 (身体の自由と刑事手続き上の権利)
- 秘密選挙(投票の秘密)
- 誰に投票したかを他人に知られないことが保障される制度のこと。15条4項が保障する。 (参政権・請願権・国務請求権)
- 非核三原則
- 核兵器を「持たず、つくらず、持ちこませず」という、日本が国是としてきた原則。 (憲法9条と戦争放棄)
- 百里基地訴訟
- 百里基地建設予定地の所有権をめぐる民事訴訟。最高裁は自衛隊の合憲性を明確に判断せず、私人間の契約に憲法9条は直接適用されないとして原告敗訴とした。 (憲法9条をめぐる主要訴訟と統治行為論)
- 夫婦同姓規定合憲判決
- 最高裁が2015年に(2021年にも合憲判断を維持)、夫婦は婚姻の際にいずれかの氏を称すると定める民法750条の夫婦同氏制の規定を、憲法に違反しないと判断した判決。 (法の下の平等と主要な違憲判決)
- 普通選挙
- 財産や納税額、性別などによって選挙権を制限しない選挙制度のこと。15条3項が保障する。 (参政権・請願権・国務請求権)
- 文民統制(シビリアン・コントロール)
- 軍事組織の最高指揮権を、職業軍人ではなく、選挙で選ばれた政治家など文民が持つという原則。自衛隊の最高指揮監督権は内閣総理大臣にある。 (自衛隊の歴史(警察予備隊から自衛隊へ))
- 文民統制(シビリアン・コントロール)
- 軍事的な判断・行動を、職業軍人でない者(内閣総理大臣や国会など)が統制するという原則。日本では、内閣総理大臣が自衛隊の最高指揮監督権を持つことなどによって、この原則が具体化されている。 (集団的自衛権と安全保障関連法(2015年))
- 平和安全法制(安全保障関連法)
- 2015年に制定された、自衛隊法・PKO協力法・重要影響事態法などの関連法を一括して改正する法律群の通称。集団的自衛権の限定的な行使を可能にした。 (集団的自衛権と安全保障関連法(2015年))
- 平和主義
- 戦争を放棄し、戦力を保持しないという原理(前文・9条)。 (日本国憲法の三大原則と最高法規性)
- 米軍専用施設
- 日本国内にある、アメリカ軍が単独で使用する基地・施設のこと。全国の米軍専用施設の面積の約70%が、国土面積のごくわずかな割合しか占めない沖縄県に集中している。 (日米地位協定と基地問題)
- 保安隊
- 1952年、サンフランシスコ平和条約発効と同時期に警察予備隊を改編して発足した組織。 (自衛隊の歴史(警察予備隊から自衛隊へ))
- 法の下の平等
- 14条1項で保障される、すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されないとする原則。合理的な理由に基づく区別までは禁止しない、相対的平等の考え方がとられている。 (法の下の平等と主要な違憲判決)
- 忘れられる権利
- インターネットの検索結果などから、自己に関する古い情報や不利益な情報の削除を求める権利。 (プライバシー権)
- 堀木訴訟
- 障害福祉年金と児童扶養手当の併給を禁止する規定が25条に違反しないかが争われた訴訟。最高裁は1982年、この種の給付調整は立法府の裁量の範囲内にあるとして合憲と判断した。 (生存権とプログラム規定説)
- 民定憲法
- 国民が定める形式の憲法のこと。日本国憲法はこの形式をとる。 (大日本帝国憲法から日本国憲法へ)
- 黙秘権
- 自己に不利益な供述を強要されない権利。38条1項で保障される。 (身体の自由と刑事手続き上の権利)
- 目的効果基準
- 国やその機関の行為が政教分離の原則に違反するかどうかを判断するために最高裁が用いる基準。その行為の目的が宗教的意義を持つか、その効果が特定の宗教を援助・助長・促進し、または他の宗教を圧迫・干渉することになるか、という2点から総合的に判断する。 (精神の自由とその判例)
- 有事関連3法
- 2003年に整備された、武力攻撃事態法(事態対処法)、改正自衛隊法、改正安全保障会議設置法の3つの法律の総称。日本が武力攻撃を受けた場合などの対処についての基本的な枠組みを定めた。 (有事法制(武力攻撃事態法と国民保護法))
- 有事関連7法
- 2004年に整備された、国民保護法などを含む7つの法律の総称。有事関連3法で定められた基本的な枠組みを具体化し、住民の避難・救援の手続きなど、有事法制を補完する内容を定めた。 (有事法制(武力攻撃事態法と国民保護法))
- 立法裁量
- 法律の具体的な内容をどう定めるかについて、国会(立法府)に認められる判断の自由のこと。堀木訴訟の最高裁判決は、社会保障給付の内容を定める際に広い立法裁量を認めた。 (生存権とプログラム規定説)
- 令状主義
- 逮捕・捜索・押収などの強制処分を行うには、原則として裁判官が発する令状を必要とするという原則。33条(逮捕)・35条(住居侵入・捜索・押収)で定められている。現行犯逮捕は令状なしで行える例外にあたる。 (身体の自由と刑事手続き上の権利)
- 労働関係調整法
- 労働争議(労使間の対立)を予防し、円満に解決するための調整の手続き(斡旋・調停・仲裁など)を定めた法律。労働三法の一つ。 (労働基本権(労働三権と労働三法))
- 労働基準法
- 賃金・労働時間・休日など、労働条件の最低基準を定めた法律。労働三法の一つ。 (労働基本権(労働三権と労働三法))
- 労働基本権(労働三権)
- 28条が保障する、団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)の3つの権利の総称。労働者が使用者と対等な立場で交渉できるようにするための権利。 (労働基本権(労働三権と労働三法))
- 労働三法
- 労働者の権利を具体的に保障するために定められた3つの法律、労働基準法・労働組合法・労働関係調整法の総称。労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)とは別のもの。 (労働基本権(労働三権と労働三法))
- 労働組合法
- 労働者が労働組合を結成し、団体交渉や争議行為を行う権利を具体的に保障する法律。労働三法の一つ。 (労働基本権(労働三権と労働三法))
- 湾岸戦争
- 1990年8月のイラクによるクウェート侵攻を受け、1991年にアメリカを中心とする多国籍軍がイラクを攻撃した戦争。日本は多国籍軍に資金を拠出したが、人的な貢献ができなかったことから、国際社会から「金は出すが人は出さない」と批判された。 (PKO協力法と国際貢献)