日本国憲法と基本的人権 / 社会権
頻出解法パターン
パターン1: 判例の「結論」を正確に区別する
こんな問題で使う
朝日訴訟・堀木訴訟のように、似た性質の複数の判例が並べて出題され、それぞれの結論(合憲・違憲・訴訟終了など)を問う問題。
解法の手順
- その判例で「何が争われたのか」(争点)を確認する。
- 裁判所が争点について実質的な判断を示したのか、それとも判断を避けた(訴訟終了・却下など)のかを区別する。
- 実質的な判断を示した場合は、その結論(合憲か違憲か)を確認する。
- 判例名・争点・結論の3つをワンセットで覚える。
具体例
朝日訴訟は「生活保護基準の適否」が争点だったが、原告の死亡により訴訟が終了し実質判断は示されなかった。堀木訴訟は「年金の併給禁止の合憲性」が争点で、最高裁は合憲と判断した。この2つを「判例名→争点→結論」の順で対応させて覚える。
パターン2: 学説の名前と内容をセットで覚える
こんな問題で使う
プログラム規定説のように、条文の法的性格について学説の名称と内容を問う問題。
解法の手順
- 学説がどの条文・どの権利について述べたものかを確認する。
- 学説の内容(具体的権利を認めるかどうかなど)を、キーワードで整理する。
- その学説がどの判例で(どのような形で)登場したかを確認する。
具体例
プログラム規定説は「25条は国の政策的な指針・目標を示したものであり、具体的権利を直接与えたものではない」という内容で、朝日訴訟の判決の傍論で示された考え方として登場する。
パターン3: 「権利」と「法律」を区別する
こんな問題で使う
労働三権と労働三法のように、名前が似た「憲法上の権利」のグループと「それを具体化する法律」のグループが並べて出題される問題。
解法の手順
- 選択肢に挙がっている語句が、憲法が定める「権利」なのか、それを実現するための「法律」なのかを見分ける。
- 権利のグループと法律のグループを、それぞれ別の箱に分けて整理する。
- 権利と、それに対応する法律の役割の違い(権利=保障される内容、法律=その実現手段)を確認する。
具体例
団結権・団体交渉権・団体行動権は労働三権(憲法28条)。労働基準法・労働組合法・労働関係調整法は労働三法(法律)。「権」と「法」の文字の違いに注目して仕分けする。
パターン4: 権利と義務の「主体」を確認する
こんな問題で使う
教育を受ける権利と教育を受けさせる義務のように、権利を持つ人と義務を負う人が異なる条文が出題される問題。
解法の手順
- 条文の主語(誰が権利を持ち、誰が義務を負うのか)を確認する。
- 「権利の主体」と「義務の主体」が同じ人物かどうかを確認する。
- 異なる場合は、その対応関係を図や矢印で整理する。
具体例
26条1項の「教育を受ける権利」の主体は子ども(国民)、26条2項の「教育を受けさせる義務」の主体は保護者。権利の主体と義務の主体が異なる典型例として整理する。
パターン5: 条文の言葉をそのまま覚えて空欄補充に対応する
こんな問題で使う
25条・26条・28条などの条文の一部を空欄にして語句を問う、穴埋め形式の問題。
解法の手順
- 条文の重要な言葉(「健康で文化的な最低限度の生活」「その能力に応じて、ひとしく」など)を、そのままのフレーズで覚える。
- 似た言葉(「文化的」と「教育的」など)で言い換えられていないか注意深く読む。
- 条文番号と、その条文の中心テーマ(生存権・教育を受ける権利など)をセットで確認する。
具体例
25条1項「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」、26条1項「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利」を、それぞれ正確なフレーズで覚えておくと、空欄補充問題に素早く対応できる。
パターン6: 例外(公務員など)の制限の「程度」を確認する
こんな問題で使う
公務員の労働基本権のように、一般原則に対して例外的な制限が加えられている問題で、制限が「全面的」か「部分的」かを問う問題。
解法の手順
- 制限の対象となっているグループ(公務員など)を確認する。
- その制限が、権利のすべてに及ぶのか、一部の権利だけに及ぶのかを確認する。
- さらにグループの中でも、職種によって制限の程度が異なる場合がないかを確認する。
具体例
公務員は団体行動権(争議権)が全面的に禁止されているが、団結権は多くの公務員に認められている(ただし警察官・消防職員・自衛官などは団結権も否定される)。「全面禁止」と「一部制限」を区別して整理する。