日本国憲法と基本的人権 / 経済の自由と平等権

頻出解法パターン

パターン1: 二重の基準論で規制の強さを判定する

こんな問題で使う

ある人権を規制する法律について、違憲審査がどの程度厳格に行われるべきかを問う問題。

解法の手順

  1. 問題になっている自由が、精神的自由(思想・信教・表現・学問など)か、経済的自由(職業選択・財産権など)かを区別する。
  2. 精神的自由であれば、民主政治の過程を支える重要な自由であることから、厳格な基準で審査すべきと判断する。
  3. 経済的自由であれば、社会・経済政策に関する専門的判断を要することが多いことから、立法府の裁量を尊重して緩やかな基準で審査すべきと判断する。
  4. 選択肢の記述が、この「精神的自由=厳格」「経済的自由=緩やか」という対応と一致しているかを確認する。

具体例

「経済的自由を規制する法律は、精神的自由を規制する法律よりも緩やかな基準で審査されるべきである」という記述は、二重の基準論の内容と一致する正しい記述である。

パターン2: 経済的自由の違憲判決の「規制手段」と「条文」を対応させる

こんな問題で使う

薬事法距離制限違憲判決や森林法共有林分割制限違憲判決の内容を問う問題。

解法の手順

  1. 問題文中の規制の対象が「職業」に関するもの(開業の許可条件など)か、「財産」に関するもの(所有物の処分制限など)かを確認する。
  2. 「職業」に関する規制であれば22条1項の職業選択の自由、「財産」に関する規制であれば29条の財産権の問題であると判断する。
  3. その規制の目的(消極目的か、細分化の防止かなど)と、規制の手段(距離制限、分割制限など)を確認する。
  4. 最高裁が「目的に対して手段が必要かつ合理的とはいえない」として違憲と判断した、という結論を対応させる。

具体例

「薬局開設に距離制限を設ける規定」という記述からは、対象が「職業(薬局の開業)」であることから22条の問題であると判断し、薬事法距離制限違憲判決(違憲)を思い出す。

パターン3: 平等権3判例の年号・条文・結論を対応表で確認する

こんな問題で使う

尊属殺重罰規定違憲判決、婚外子相続分差別違憲決定、夫婦同姓規定合憲判決の内容を問う問題。

解法の手順

  1. 問題文中の規制の対象(尊属殺の刑罰、相続分、夫婦の氏)から、どの判例の話かを特定する。
  2. 特定できたら、対象条文(刑法200条、民法900条、民法750条)を思い出す。
  3. その判例の最高裁の結論(違憲・違憲・合憲)を思い出す。
  4. 年号(1973年・2013年・2015年)まで問われている場合は、あわせて確認する。

具体例

「尊属殺人罪について死刑又は無期懲役のみを科す」という記述から尊属殺重罰規定違憲判決を特定し、対象条文が刑法200条、結論が違憲(1973年)であることを確認する。

パターン4: 「合理的区別」か「不合理な差別」かを判定する

こんな問題で使う

ある法律上の区別が、14条の法の下の平等に違反する不合理な差別にあたるかどうかを判定する問題。

解法の手順

  1. その区別が達成しようとしている目的が、合理的といえるかを検討する。
  2. 目的が合理的だとしても、その目的を達成するための手段(区別の程度)が、必要な限度を超えていないかを検討する。
  3. 目的は合理的でも、手段が著しく行き過ぎている場合には、不合理な差別(違憲)と判断される可能性が高いと考える。
  4. 婚外子のように、本人が自ら選択・修正できない事情による不利益は、特に不合理な差別として問題視されやすいことを踏まえる。

具体例

尊属殺重罰規定は、尊属を尊重するという目的自体には合理性があるとされたが、死刑又は無期懲役のみという手段が目的達成に必要な限度を著しく超えているとして、違憲と判断された。

パターン5: 組み合わせ問題(人物・団体名と法律・年号を結ぶ形式)を解く

こんな問題で使う

全国水平社、アイヌ文化振興法、アイヌ民族支援法、男女雇用機会均等法などについて、名称と年号・内容を組み合わせる問題。

解法の手順

  1. 選択肢に挙がっている名称(法律名・団体名)を確認する。
  2. それぞれの名称について、制定・結成された年と、目的・内容を思い出す。
  3. 似た名称の法律(アイヌ文化振興法とアイヌ民族支援法など)については、どちらが古く、どちらが「先住民族」の明記など、より進んだ内容を持つかを区別する。
  4. 年号の古い順に並べ替えるなどして、組み合わせの正誤を確認する。

具体例

「1922年-全国水平社(部落差別撤廃)」「1997年-アイヌ文化振興法(文化振興)」「2019年-アイヌ民族支援法(先住民族と明記)」というように、年号の古い順に整理すると、組み合わせ問題や並べ替え問題に対応しやすくなる。