日本国憲法と基本的人権 / 精神の自由と身体の自由
演習問題
演習問題
問題1
問題
次の①~④の条文と、それぞれが保障する内容の組み合わせとして誤っているものを1つ選べ。
① 19条-思想及び良心の自由 ② 21条-検閲の禁止 ③ 23条-学問の自由 ④ 31条-黙秘権
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31条は「法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ……ない」と定める適正手続きの保障の規定であり、罪刑法定主義の根拠規定の一つとされます。黙秘権を定めているのは38条です。①~③はいずれも正しい組み合わせです。
答え:④(31条は適正手続きの保障の規定であり、黙秘権を定めるのは38条)
問題2
問題
津地鎮祭訴訟と愛媛玉串料訴訟について、それぞれの最高裁の結論(合憲・違憲)を答えよ。
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津地鎮祭訴訟(1977年)は、市立体育館の起工式を神式で行い費用を公費支出したことが争われた事件で、最高裁は目的効果基準を用いて、これを世俗的な習俗的行事であるとして合憲と判断しました。
愛媛玉串料訴訟(1997年)は、県が靖国神社の例大祭に玉串料を公金から支出したことが争われた事件で、最高裁は同じ目的効果基準を用いて、これを政教分離の原則に違反するとして違憲と判断しました。
答え:津地鎮祭訴訟=合憲、愛媛玉串料訴訟=違憲
問題3
問題
教科書検定制度は、憲法21条2項が禁止する「検閲」にあたるか。最高裁の判断を、理由も含めて説明せよ。
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最高裁は、教科書検定は「検閲」にはあたらないと判断しています。検定に不合格となっても、その内容を一般の書籍として出版すること自体は禁止されないことなどが理由とされています。
答え:検閲にはあたらない。不合格でも一般書籍としての出版は禁止されないことなどが理由。
問題4
問題
次の記述の空欄に適する語句を答えよ。
19条の思想及び良心の自由は、内心にとどまる限り、公共の福祉によっても制約されない( ① )な保障を受けるとされる。これに対し、20条の信教の自由や21条の表現の自由は、外部的な行為を伴う場合があるため、19条とまったく同じ扱いにはならない場面もある。ただし、21条2項が禁止する( ② )については、例外を認めない絶対的な禁止であるとされる。
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内心にとどまる19条の思想・良心の自由は絶対的な保障を受けます。一方、21条2項の禁止する検閲についても、公共の福祉による例外を認めない絶対的な禁止とされています。「絶対的」という言葉が、19条の内心の自由と、21条の検閲の禁止の両方に関わってくる点に注意しましょう。
答え:① 絶対的 ② 検閲
問題5
問題
次の記述のうち、正しいものを1つ選べ。
- 憲法33条により、現行犯であっても逮捕には裁判官の発する令状が必要である。
- 憲法35条は、住居、書類及び所持品についての捜索・押収に、原則として令状を必要とすると定めている。
- 憲法36条は、公務員による残虐な刑罰を、公共の福祉による例外を認めたうえで禁止している。
- 憲法38条の黙秘権とは、黙秘さえすれば有罪にならないことを保障するものである。
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1は誤りです。33条は、現行犯として逮捕される場合を除いて令状が必要であると定めており、現行犯逮捕は例外として令状なしで行えます。
2は正しい記述です。35条は住居等の捜索・押収について、正当な理由に基づく令状を必要とすると定めています。
3は誤りです。36条は「絶対にこれを禁ずる」と定めており、公共の福祉による例外は認められません。
4は誤りです。黙秘権は自己に不利益な供述を強要されない権利であり、黙秘したこと自体が無罪を意味するものではありません。
答え:2
問題6
問題
刑法の一部が改正され、ある行為Xを新たに犯罪として処罰する規定が設けられた。この改正前に行われた行為Xについて、改正後の規定を適用して処罰することはできるか。憲法上の原則の名称とあわせて答えよ。
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処罰することはできません。39条前段が定める遡及処罰の禁止(事後法の禁止)により、実行の時に適法であった行為については、後から制定された法律にさかのぼって刑事上の責任を問うことはできないためです。
答え:できない。39条の遡及処罰の禁止(事後法の禁止)により、行為時に適法であった行為を事後の法律で処罰することはできない。
問題7
問題
再審制度とはどのような制度か、簡潔に説明せよ。
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再審制度とは、有罪の判決が確定した後になって、無罪を言い渡すべき明らかな新証拠が発見されるなどした場合に、確定した裁判をやり直す制度です。いったん確定した判決であっても、それが誤りであった可能性が示された場合に救済する仕組みであり、えん罪から個人を守るための重要な制度です。
答え:有罪確定後に、無罪を言い渡すべき明らかな新証拠が見つかるなどした場合に、裁判をやり直す制度。
問題8
問題
次のA・Bの記述と、それぞれにあてはまる語句ア・イの組み合わせとして正しいものを選べ。
A 靖国神社の例大祭に玉串料を公金から支出したことが政教分離の原則に違反すると判断された。
B 体育館の起工式を神式で行い、費用を公金から支出したことは政教分離の原則に違反しないと判断された。
ア 合憲 イ 違憲
- A-ア B-イ
- A-イ B-ア
- A-ア B-ア
- A-イ B-イ
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Aは愛媛玉串料訴訟の内容であり、結論は違憲(イ)です。Bは津地鎮祭訴訟の内容であり、結論は合憲(ア)です。
答え:2(A-イ、B-ア)
問題9
問題
2004年に制定された、犯罪の被害者やその家族の権利・利益を守るための法律の名称を答え、その制定の背景を簡潔に説明せよ。
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法律の名称は犯罪被害者基本法です。これまでの刑事司法制度は、被疑者・被告人の人権保障に重点を置いて整備されてきた面が大きく、これに対して犯罪の被害者やその家族の権利・利益を保護するために制定されました。同法に基づき、被害者参加制度など、被害者の権利を具体化する制度整備が進められています。
答え:犯罪被害者基本法。被疑者・被告人の人権保障に重点が置かれてきたことに対し、被害者やその家族の権利・利益を守るために制定された。