数学B
総合演習
この総合演習について
数学Bの2つの単元――数列と統計的な推測――は、実は深いところでつながっています。確率変数の期待値や分散は $\Sigma$(シグマ、和の記号)を使って定義されますし、標本平均の分布を調べるときにも和の計算が欠かせません。
さらに入試問題では、数学Aの「場合の数と確率」で学んだ反復試行や条件付きの確率的な状況を、数列の漸化式で処理する「確率と漸化式の融合問題」が非常によく出題されます。
この総合演習では、数列と統計的な推測を組み合わせた問題を中心に、数学Aの確率にさかのぼる問題も1問含めて、合計6問を用意しました。
総合問題1
問題
$1$ から $n$ までの整数の値を等確率でとる確率変数 $X$ を考える(たとえば $n=6$ なら、通常のさいころの出る目と同じ状況です)。
(1) 期待値 $E(X)$ を、和の公式 $\displaystyle\sum_{k=1}^nk=\frac{n(n+1)}2$ を用いて、$n$の式で表せ。
(2) 分散 $V(X)$ を、和の公式 $\displaystyle\sum_{k=1}^nk^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}6$ も用いて、$n$の式で表せ。
(3) (1)と(2)の結果に $n=6$ を代入し、通常の1個のさいころを投げたときの出る目の期待値と分散を求めよ。
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単元の組み合わせ: 統計的な推測の期待値・分散の定義に、数列で学んだ $\Sigma$ の和の公式を代入して計算する、この2単元の最も基本的な結びつきを確認する問題です。
(1)
$X$ は $1,2,\dots,n$ の $n$ 個の値を、それぞれ確率 $\dfrac1n$ でとります。期待値の定義
$E(X) = \sum_{k=1}^n k\times P(X=k) = \sum_{k=1}^n k\times\frac1n = \frac1n\sum_{k=1}^nk$
に、和の公式 $\displaystyle\sum_{k=1}^nk=\frac{n(n+1)}2$ を代入すると、
$E(X) = \frac1n\times\frac{n(n+1)}2 = \frac{n+1}2$
(2)
分散は $V(X)=E(X^2)-\{E(X)\}^2$ という公式(2乗の期待値から、期待値の2乗を引いたもの)で計算できます。まず $E(X^2)$ を求めます。
$E(X^2) = \sum_{k=1}^n k^2\times\frac1n = \frac1n\sum_{k=1}^nk^2 = \frac1n\times\frac{n(n+1)(2n+1)}6 = \frac{(n+1)(2n+1)}6$
したがって、
$V(X) = \frac{(n+1)(2n+1)}6 - \left(\frac{n+1}2\right)^2$
通分してまとめます。分母を $12$ にそろえると、
$V(X) = \frac{2(n+1)(2n+1)}{12} - \frac{3(n+1)^2}{12} = \frac{(n+1)\left[2(2n+1)-3(n+1)\right]}{12}$
かっこの中を計算すると、$2(2n+1)-3(n+1)=4n+2-3n-3=n-1$ なので、
$V(X) = \frac{(n+1)(n-1)}{12} = \frac{n^2-1}{12}$
($(n+1)(n-1)=n^2-1$ という乗法公式を使いました。)
(3)
$n=6$ を代入します。
$E(X) = \frac{6+1}2 = \frac72 = 3.5$
$V(X) = \frac{6^2-1}{12} = \frac{35}{12}$
これは、さいころの出る目の期待値が $3.5$、分散が $\dfrac{35}{12}$($\approx2.92$)であるという、統計的な推測の教科書でもよく登場する有名な結果と一致します。
答え:(1) $E(X)=\dfrac{n+1}2$ (2) $V(X)=\dfrac{n^2-1}{12}$ (3) 期待値 $3.5$、分散 $\dfrac{35}{12}$
総合問題2
問題
確率変数 $X$ が二項分布 $B(10,0.3)$ に従うとする。すなわち、成功確率 $0.3$ の試行を $10$回繰り返すときの成功回数が $X$ である。
$P(X=k)$ が最大となる $k$(最頻値)を、$\dfrac{P(X=k+1)}{P(X=k)}$ の比を計算することによって求めよ。
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単元の組み合わせ: 統計的な推測の二項分布の確率質量関数を、数列でおなじみの「隣り合う2つの項の比を調べて増減を判断する」という手法(等比数列の考え方に通じる技法)で分析する問題です。
二項分布の確率は $P(X=k) = {}_{10}\mathrm C_k\,(0.3)^k(0.7)^{10-k}$ で与えられます。数列の問題で「隣接する項の比」を調べて増減を判断するのと同じように、$\dfrac{P(X=k+1)}{P(X=k)}$ を計算してみます。
$\frac{P(X=k+1)}{P(X=k)} = \frac{{}_{10}\mathrm C_{k+1}\,(0.3)^{k+1}(0.7)^{9-k}}{{}_{10}\mathrm C_k\,(0.3)^k(0.7)^{10-k}} = \frac{{}_{10}\mathrm C_{k+1}}{{}_{10}\mathrm C_k}\times\frac{0.3}{0.7}$
組合せの比 $\dfrac{{}_{10}\mathrm C_{k+1}}{{}_{10}\mathrm C_k}$ は、$_n\mathrm C_r=\dfrac{n!}{r!(n-r)!}$ の定義から計算すると $\dfrac{10-k}{k+1}$ になることが知られています。したがって、
$\frac{P(X=k+1)}{P(X=k)} = \frac{10-k}{k+1}\times\frac37$
この比が $1$ より大きいとき $P(X=k+1)>P(X=k)$(確率は増加中)、$1$ より小さいとき $P(X=k+1)
$\frac{10-k}{k+1}\times\frac37 \ge 1 \quad\Longleftrightarrow\quad 3(10-k)\ge7(k+1) \quad\Longleftrightarrow\quad 30-3k\ge7k+7 \quad\Longleftrightarrow\quad 23\ge10k \quad\Longleftrightarrow\quad k\le2.3$
$k$ は整数なので、$k\le2$ のとき比は $1$以上(確率は増加中、または等しい)、$k\ge3$ のとき比は $1$未満(確率は減少中)ということになります。
つまり、$P(X=0)\le P(X=1)\le P(X=2)\le P(X=3)$ と増加していき、$P(X=3)>P(X=4)>\cdots$ と、$k=3$ を境に減少に転じます。したがって、確率が最大になるのは $k=3$ のときです。
検算: 二項分布 $B(n,p)$ の最頻値は、一般に $(n+1)p$ に近い整数値になることが知られています。$(n+1)p=(10+1)\times0.3=3.3$ なので、その整数部分である $3$ が最頻値になる、という一般的な性質とも一致しています。
答え:$k=3$
総合問題3
問題
袋Aと袋Bがあり、最初、玉は袋Aに入っている。$1$回の操作で、玉が入っている袋から、確率 $\dfrac13$ でもう一方の袋に移し、確率 $\dfrac23$ でそのままの袋にとどめる、という試行を繰り返す。$n$回の操作を行った後に、玉が袋Aに入っている確率を $p_n$ とする(ただし $p_0=1$ とする)。
(1) $p_{n+1}$ を $p_n$ を用いて表せ(漸化式を立てよ)。
(2) (1)の漸化式を解いて、$p_n$ を $n$ の式で表せ。
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単元の組み合わせ: 数学Aの場合の数と確率(反復試行的な状況の確率)を、数学Bの数列の漸化式(特性方程式を用いた解法)で処理する、代表的な「確率と漸化式の融合問題」です。
(1)
$n+1$回後に玉が袋Aに入っているのは、次の2つの場合のどちらかです。
- $n$回後に袋A(確率 $p_n$)にあり、$n+1$回目の操作でそのまま袋Aにとどまる(確率 $\dfrac23$)。
- $n$回後に袋B(確率 $1-p_n$)にあり、$n+1$回目の操作で袋Aに移る(確率 $\dfrac13$)。
これら2つの場合は同時には起こらないので、確率を足し合わせます。
$p_{n+1} = \frac23p_n + \frac13(1-p_n) = \frac23p_n+\frac13-\frac13p_n = \frac13p_n+\frac13$
(2)
この漸化式 $p_{n+1}=\dfrac13p_n+\dfrac13$ を解くために、特性方程式(漸化式が $x=\dfrac13x+\dfrac13$ という形で「動かなくなる」ような $x$ の値を求める方程式)を考えます。
$x = \frac13x+\frac13 \quad\Longrightarrow\quad \frac23x=\frac13 \quad\Longrightarrow\quad x=\frac12$
もとの漸化式から、この $x=\dfrac12$ を満たす式($\dfrac12=\dfrac13\times\dfrac12+\dfrac13$、実際に $\dfrac16+\dfrac13=\dfrac16+\dfrac26=\dfrac36=\dfrac12$ で成立)を辺々引きます。
$p_{n+1}-\frac12 = \left(\frac13p_n+\frac13\right)-\left(\frac13\times\frac12+\frac13\right) = \frac13\left(p_n-\frac12\right)$
これは、数列 $\left\{p_n-\dfrac12\right\}$ が公比 $\dfrac13$ の等比数列であることを示しています。初項は、
$p_0-\frac12 = 1-\frac12=\frac12$
なので、等比数列の一般項の公式より、
$p_n-\frac12 = \frac12\times\left(\frac13\right)^n$
$p_n = \frac12+\frac12\left(\frac13\right)^n = \frac12\left[1+\left(\frac13\right)^n\right]$
検算: $n=0$ のとき $p_0=\dfrac12(1+1)=1$ となり、条件 $p_0=1$ と一致します。$n=1$ のときは、最初は必ず袋Aにあるので、1回操作した後も袋Aにとどまる確率はそのまま $\dfrac23$ のはずです。公式に $n=1$ を代入すると $p_1=\dfrac12\left(1+\dfrac13\right)=\dfrac12\times\dfrac43=\dfrac23$ となり、一致します。
$n\to\infty$ で $\left(\dfrac13\right)^n\to0$ となるので $p_n\to\dfrac12$ に近づいていきます。これは、操作を十分に繰り返すと、玉が袋Aにある確率も袋Bにある確率も、ともに $\dfrac12$ に落ち着いていくという自然な結果を表しています。
答え:(1) $p_{n+1}=\dfrac13p_n+\dfrac13$ (2) $p_n=\dfrac12\left[1+\left(\dfrac13\right)^n\right]$
総合問題4
問題
ある母集団の母標準偏差は $\sigma=20$ であることがわかっている。この母集団から大きさ $n=100$ の標本を無作為に抽出し、その値を $X_1,X_2,\dots,X_{100}$ とする。標本平均を $\bar X=\dfrac1{100}\displaystyle\sum_{k=1}^{100}X_k$ とする。
(1) $X_1,\dots,X_{100}$ が互いに独立であるとき、和 $\displaystyle\sum_{k=1}^{100}X_k$ の分散を、$\sigma$ を用いて表せ。
(2) (1)の結果を用いて、標本平均 $\bar X$ の標準偏差(標準誤差と呼ばれる)を求めよ。
(3) ある標本で $\bar X=68$ が得られたとする。母平均 $m$ に対する信頼度 $95\%$ の信頼区間を求めよ。ただし、信頼係数として $1.96$ を用いてよい。
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単元の組み合わせ: 数列の $\Sigma$ 記号(和の表し方)を使って、統計的な推測の「標本平均の標準偏差が $\dfrac{\sigma}{\sqrt n}$ になる」という、暗記しがちな公式の中身を実際に導く問題です。
(1)
独立な確率変数の和の分散は、それぞれの分散の和になる、という性質(独立でなければこの性質は成り立たないことに注意してください)を使います。$X_1,\dots,X_{100}$ はどれも同じ母集団から取られているので、分散はすべて $\sigma^2=20^2=400$ です。
$V\left(\sum_{k=1}^{100}X_k\right) = \sum_{k=1}^{100}V(X_k) = 100\times\sigma^2 = 100\times400=40000$
(2)
$\bar X=\dfrac1{100}\displaystyle\sum_{k=1}^{100}X_k$ です。確率変数を定数倍したときの分散は、その定数の2乗倍になる($V(aX)=a^2V(X)$)という性質を使うと、
$V(\bar X) = V\left(\frac1{100}\sum_{k=1}^{100}X_k\right) = \left(\frac1{100}\right)^2\times V\left(\sum_{k=1}^{100}X_k\right) = \frac1{10000}\times40000=4$
標準偏差は分散の正の平方根なので、
$\sqrt{V(\bar X)} = \sqrt4=2$
これが標本平均の標準誤差です。一般に $n$ 個の標本のときは、同じ計算を $n$ で行うと、$V(\bar X)=\dfrac{\sigma^2}n$ となり、標準誤差は $\dfrac{\sigma}{\sqrt n}$ になります。実際、$\dfrac{\sigma}{\sqrt n}=\dfrac{20}{\sqrt{100}}=\dfrac{20}{10}=2$ となり、一致します。
(3)
母平均 $m$ に対する信頼度 $95\%$ の信頼区間は、一般に、
$\bar X - 1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt n} \le m \le \bar X+1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt n}$
という形で求められます。$\bar X=68$、$\dfrac{\sigma}{\sqrt n}=2$(これは(2)で求めた値です)を代入すると、
$68-1.96\times2 \le m \le 68+1.96\times2$
$1.96\times2=3.92$ なので、
$64.08 \le m \le 71.92$
答え:(1) $40000$ (2) $2$ (3) $64.08\le m\le71.92$
総合問題5
問題
母標準偏差 $\sigma=15$ の母集団から大きさ $n$ の標本を取り、信頼度 $95\%$ の信頼区間を作ると、その幅(信頼区間の上端と下端の差)は $\dfrac{2\times1.96\times15}{\sqrt n}$ で与えられる。
(1) $n=100$ のときと $n=400$ のときの信頼区間の幅を、それぞれ求めよ。
(2) 標本の大きさを $n$ 倍から $4n$ 倍に増やすと、信頼区間の幅は何倍になるか。一般に説明せよ。
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単元の組み合わせ: 信頼区間の幅を $n$ の関数(数列のように、$n$ の値ごとに1つの値が定まる対応)としてとらえ、数列的な考え方で $n$ を変化させたときの値の変化を調べる、統計的な推測の問題です。
(1)
幅を表す式 $w(n) = \dfrac{2\times1.96\times15}{\sqrt n} = \dfrac{58.8}{\sqrt n}$ を使います。
$n=100$ のとき、$\sqrt{100}=10$ なので、
$w(100) = \frac{58.8}{10} = 5.88$
$n=400$ のとき、$\sqrt{400}=20$ なので、
$w(400) = \frac{58.8}{20} = 2.94$
(2)
(1)の結果から、$n$ を $100$ から $400$($4$倍)にしたとき、幅は $5.88$ から $2.94$ になっており、これはちょうど $\dfrac{2.94}{5.88}=0.5$、つまり半分になっています。
これが一般に成り立つことを、文字式で確認します。標本の大きさを $n$ から $4n$ に変えたときの幅の比は、
$\frac{w(4n)}{w(n)} = \frac{\dfrac{58.8}{\sqrt{4n}}}{\dfrac{58.8}{\sqrt n}} = \frac{\sqrt n}{\sqrt{4n}} = \frac{\sqrt n}{2\sqrt n} = \frac12$
($\sqrt{4n}=\sqrt4\times\sqrt n=2\sqrt n$ という根号の性質を使いました。)
したがって、標本の大きさを $4$倍にすると、信頼区間の幅はつねに(標本の大きさによらず)$\dfrac12$倍、つまり半分になります。これは、幅が $\sqrt n$ に反比例しているためで、幅を半分にしたいなら標本の大きさを $2^2=4$倍にする必要がある、という統計調査の実務でも重要な関係です(たとえば幅を $\dfrac1{10}$ にしたいなら、標本の大きさは $100$倍必要になります)。
答え:(1) $n=100$のとき $5.88$、$n=400$のとき $2.94$ (2) $\dfrac12$倍になる(導出は解説の通り)
総合問題6
問題
ある工場の製品1個の重さは、母平均 $500\,\mathrm g$、母標準偏差 $\sigma=10\,\mathrm g$ の分布に従うとされている。無作為に $36$個抽出したところ、その重さの合計が $\displaystyle\sum_{k=1}^{36}X_k=18072\,\mathrm g$ であった。
(1) 標本平均 $\bar X$ を求めよ。
(2) 「母平均は $500\,\mathrm g$ である」という仮説を、有意水準 $5\%$ で検定せよ。ただし、検定統計量 $Z=\dfrac{\bar X-500}{\sigma/\sqrt{36}}$ を用い、$|Z|\ge1.96$ のとき仮説を棄却するものとする。
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単元の組み合わせ: 数列の $\Sigma$ 記号で与えられたデータの合計から標本平均を復元し、統計的な推測の仮説検定の手順にあてはめる問題です。
(1)
$\Sigma$ の記号 $\displaystyle\sum_{k=1}^{36}X_k$ は、$X_1$ から $X_{36}$ までの $36$個の値をすべて足し合わせたものを表しています。標本平均は、この合計を個数 $36$ で割ったものなので、
$\bar X = \frac1{36}\sum_{k=1}^{36}X_k = \frac{18072}{36}$
$18072\div36$ を計算します。$36\times500=18000$ なので、残りは $18072-18000=72$。$72\div36=2$ なので、
$\bar X = 500+2=502$
(2)
検定統計量 $Z$ を計算します。$\sigma/\sqrt{36}=10/6=\dfrac53$ です。
$Z = \frac{\bar X-500}{\sigma/\sqrt{36}} = \frac{502-500}{\frac53} = 2\div\frac53 = 2\times\frac35 = \frac65 = 1.2$
この仮説検定の手順を確認しておきます。仮説検定とは、「母平均は $500\,\mathrm g$ である」という仮説(帰無仮説と呼びます)を一度正しいと仮定したうえで、実際に得られた標本平均 $502\,\mathrm g$ が、その仮定のもとでどれくらい「起こりにくい」値だったかを判断する手続きです。$Z$ の値は、標本平均が母平均からどれだけ離れているかを、標準誤差を単位として測った量になっています。
判定基準は「$|Z|\ge1.96$ のとき仮説を棄却する」というものでした。今回、
$|Z| = |1.2| = 1.2$
であり、$1.2<1.96$ なので、判定基準を満たしません。したがって、仮説を棄却しない、つまり「母平均が $500\,\mathrm g$ であるという仮説と矛盾するとは言えない」という結論になります。標本平均が $502\,\mathrm g$ とやや高めに出てはいますが、この程度のずれは、母平均が本当に $500\,\mathrm g$ であっても、標本の取り方によって十分に起こりうる範囲内である、と判断されたわけです。
答え:(1) $\bar X=502\,\mathrm g$ (2) $Z=1.2$ であり、$|Z|<1.96$ なので仮説は棄却されない