数学II

総合演習

この総合演習について

数学IIは5つの単元――いろいろな式図形と方程式指数関数・対数関数三角関数微分・積分の考え――から成り立っていますが、入試問題ではこれらが単独で出題されるより、2つ以上組み合わさって出題されることの方がむしろ多いくらいです。たとえば「円と直線の交点を、解と係数の関係で処理する」「加法定理から導いた式を、高次方程式として解く」といった具合です。

この総合演習では、5単元のうち2つ以上を組み合わせた問題を7問用意しました。単元をまたぐ発想に慣れることを目標に、じっくり取り組んでみてください。

総合問題1

問題

円 $x^2+y^2=5$ と直線 $y=x+k$($k$ は定数)が異なる2点で交わるとする。この2つの交点の $x$座標を $\alpha$、$\beta$ とする。

(1) $\alpha+\beta$ と $\alpha\beta$ を、$k$ を用いて表せ。

(2) 2つの交点の間の距離を、$k$ を用いて表せ。

(3) (2)で求めた距離が $\sqrt6$ となるような $k$ の値をすべて求めよ。

解答・解説を見る

単元の組み合わせ: 図形と方程式の円と直線の交点の設定に、いろいろな式の「解と係数の関係」を使って交点の座標を扱う問題です。

(1)

直線の式 $y=x+k$ を円の式 $x^2+y^2=5$ に代入して、交点の $x$座標が満たす方程式を作ります。

$x^2+(x+k)^2=5$

$(x+k)^2=x^2+2kx+k^2$ なので、

$x^2+x^2+2kx+k^2=5 \quad\Longrightarrow\quad 2x^2+2kx+(k^2-5)=0$

これが、交点の $x$座標 $\alpha,\beta$ を解にもつ2次方程式です。解と係数の関係(2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の2つの解の和は $-\dfrac ba$、積は $\dfrac ca$ になるという関係)を使うと、

$\alpha+\beta = -\frac{2k}{2} = -k, \qquad \alpha\beta = \frac{k^2-5}{2}$

(2)

2つの交点は同じ直線 $y=x+k$ 上にあります。この直線の傾きは $1$ なので、$x$座標の差が $\alpha-\beta$ であれば、$y$座標の差も同じ $\alpha-\beta$ になります(直線 $y=x+k$ 上では、$x$が $1$ 増えると $y$も $1$ 増えるからです)。したがって、2点間の距離は、

$\sqrt{(\alpha-\beta)^2+(\alpha-\beta)^2} = \sqrt2\,|\alpha-\beta|$

$(\alpha-\beta)^2$ は、対称式の変形公式 $(\alpha-\beta)^2=(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta$ を使うと、$\alpha,\beta$ を直接求めなくても $\alpha+\beta$ と $\alpha\beta$ だけから計算できます。(1)の結果を代入すると、

$(\alpha-\beta)^2 = (-k)^2-4\times\frac{k^2-5}{2} = k^2-2(k^2-5) = k^2-2k^2+10 = 10-k^2$

したがって、$|\alpha-\beta|=\sqrt{10-k^2}$(2つの交点が実際に存在するためには $10-k^2>0$ である必要があります)であり、2点間の距離は、

$\sqrt2\times\sqrt{10-k^2} = \sqrt{2(10-k^2)} = \sqrt{20-2k^2}$

(3)

$\sqrt{20-2k^2}=\sqrt6$ を解きます。両辺を2乗すると、

$20-2k^2=6 \quad\Longrightarrow\quad 2k^2=14 \quad\Longrightarrow\quad k^2=7$

$k=\pm\sqrt7$

なお、$k^2=7$ は、異なる2点で交わるための条件 $10-k^2>0$(つまり $k^2<10$)を満たしているので、これらの $k$ の値は確かに条件に合っています。

答え:(1) $\alpha+\beta=-k$、$\alpha\beta=\dfrac{k^2-5}{2}$ (2) $\sqrt{20-2k^2}$ (3) $k=\pm\sqrt7$

総合問題2

問題

3次方程式 $8x^3-6x+1=0$ を考える。

(1) $x=\pm1,\pm\dfrac12,\pm\dfrac14,\pm\dfrac18$ をそれぞれ代入して、この方程式が有理数の解をもたないことを確認せよ(代表として $x=\dfrac12$ と $x=-\dfrac12$ で確認すればよい)。

(2) $x=\cos\theta$($0\le\theta<\pi$)とおき、3倍角の公式 $\cos3\theta=4\cos^3\theta-3\cos\theta$ を加法定理と2倍角の公式から導いたうえで、この方程式を $\theta$ の方程式に直して解け。

(3) (2)の結果から、方程式 $8x^3-6x+1=0$ の実数解を、$\cos$ を用いて表せ。

解答・解説を見る

単元の組み合わせ: 三角関数の加法定理・2倍角の公式から3倍角の公式を導き、それを使っていろいろな式の高次方程式(因数定理では手に負えない3次方程式)を解くという、少し発展的な問題です。

(1)

$x=\dfrac12$ を代入すると、$8\times\dfrac18-6\times\dfrac12+1 = 1-3+1=-1\ne0$。$x=-\dfrac12$ を代入すると、$8\times\left(-\dfrac18\right)-6\times\left(-\dfrac12\right)+1=-1+3+1=3\ne0$。同様に他の候補もすべて $0$ にならないことが確認できます(有理数解の候補をすべて試しても因数定理が使えないケースです)。このように、整数係数の方程式であっても、有理数の範囲に解をもつとは限りません。

(2)

まず3倍角の公式を導きます。$\cos3\theta=\cos(2\theta+\theta)$ に加法定理 $\cos(A+B)=\cos A\cos B-\sin A\sin B$ を使うと、

$\cos3\theta = \cos2\theta\cos\theta-\sin2\theta\sin\theta$

2倍角の公式 $\cos2\theta=2\cos^2\theta-1$、$\sin2\theta=2\sin\theta\cos\theta$ を代入すると、

$\cos3\theta = (2\cos^2\theta-1)\cos\theta - (2\sin\theta\cos\theta)\sin\theta = 2\cos^3\theta-\cos\theta-2\sin^2\theta\cos\theta$

さらに $\sin^2\theta=1-\cos^2\theta$($\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$ より)を使って $\sin^2\theta$ を消去すると、

$\cos3\theta = 2\cos^3\theta-\cos\theta-2(1-\cos^2\theta)\cos\theta = 2\cos^3\theta-\cos\theta-2\cos\theta+2\cos^3\theta = 4\cos^3\theta-3\cos\theta$

たしかに $\cos3\theta=4\cos^3\theta-3\cos\theta$ が導けました。

さて、$x=\cos\theta$ とおくと、$4x^3-3x=\cos3\theta$ です。もとの方程式 $8x^3-6x+1=0$ を $2$ で割ると $4x^3-3x+\dfrac12=0$、つまり $4x^3-3x=-\dfrac12$ となるので、

$\cos3\theta = -\frac12$

$0\le\theta<\pi$ より $0\le3\theta<3\pi$ です。この範囲で $\cos3\theta=-\dfrac12$ となる $3\theta$ を、単位円をイメージしながら求めます。$\cos$ の値が $-\dfrac12$ になるのは、角度が $\dfrac{2\pi}3$ または $\dfrac{4\pi}3$(基準の角度)に $2\pi$ の整数倍を加えたときなので、

$3\theta = \frac{2\pi}3,\ \frac{4\pi}3,\ \frac{2\pi}3+2\pi,\ \frac{4\pi}3+2\pi = \frac{2\pi}3,\ \frac{4\pi}3,\ \frac{8\pi}3,\ \frac{10\pi}3$

(この4つはすべて $0\le3\theta<3\pi$ の範囲に収まっています。次の候補 $\dfrac{2\pi}3+4\pi$ などは範囲外になります。)

$\theta = \frac{2\pi}9,\ \frac{4\pi}9,\ \frac{8\pi}9,\ \frac{10\pi}9$

(3)

$0\le\theta<\pi$ という範囲に注意すると、$\theta=\dfrac{10\pi}9$ は $\pi$ を超えてしまうので範囲外です。したがって、範囲内の $\theta$ は $\dfrac{2\pi}9,\dfrac{4\pi}9,\dfrac{8\pi}9$ の3つで、対応する解は、

$x = \cos\frac{2\pi}9,\ \cos\frac{4\pi}9,\ \cos\frac{8\pi}9$

の3つです。3次方程式は解を最大でも3個しかもたないので、この3つがちょうどすべての実数解です。度数法で言うと $\dfrac{2\pi}9=40^{\circ}$、$\dfrac{4\pi}9=80^{\circ}$、$\dfrac{8\pi}9=160^{\circ}$ に対応し、それぞれの余弦の値はおよそ $0.766$、$0.174$、$-0.940$ です。実際に $8x^3-6x+1$ にこれらの近似値を代入すると、いずれも $0$ に非常に近い値になることが確認できます。

(1)で確認したように、この方程式は因数定理で見つけられるような「きれいな」有理数解を持たないため、三角関数の3倍角の公式を経由するという、いろいろな式の単元だけでは思いつかない方法で解を表す必要がありました。

答え:(2) $\theta=\dfrac{2\pi}9,\dfrac{4\pi}9,\dfrac{8\pi}9,\dfrac{10\pi}9$(導出は解説の通り) (3) $x=\cos\dfrac{2\pi}9,\ \cos\dfrac{4\pi}9,\ \cos\dfrac{8\pi}9$

総合問題3

問題

2直線 $y=3x+1$ と $y=\dfrac12x-2$ のなす角のうち、鋭角のほうを $\theta$ とする。$\tan\theta$ の値を求めよ。

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単元の組み合わせ: 図形と方程式の直線の傾きと、三角関数の正接(タンジェント)の加法定理を組み合わせて、2直線のなす角を求める問題です。

直線 $y=mx+b$ の傾き $m$ は、その直線が $x$軸の正の向きとなす角を $\alpha$ とすると $m=\tan\alpha$ という関係にあります(傾きの定義そのものが「$x$が1増えたときの$y$の増加量」であり、これは角度 $\alpha$ の正接に一致します)。

2直線 $y=3x+1$、$y=\dfrac12x-2$ が $x$軸の正の向きとなす角を、それぞれ $\alpha,\beta$ とすると、

$\tan\alpha=3,\qquad \tan\beta=\frac12$

2直線のなす角は $\alpha-\beta$(またはその符号を変えたもの)なので、正接の加法定理(正確には、$\tan(A-B)$ の公式)

$\tan(\alpha-\beta) = \frac{\tan\alpha-\tan\beta}{1+\tan\alpha\tan\beta}$

を使います。$\tan\alpha=3$、$\tan\beta=\dfrac12$ を代入すると、

$\tan(\alpha-\beta) = \frac{3-\frac12}{1+3\times\frac12} = \frac{\frac52}{1+\frac32} = \frac{\frac52}{\frac52} = 1$

$\tan(\alpha-\beta)=1$ となりました。$2$直線のなす角のうち鋭角のほうを考えているので、$\tan\theta$ の値は正の値になるはずですが、$1$ はすでに正の値なので、そのままこれが答えです。

$\tan\theta = 1$

(念のため角度で確認すると、$\tan\alpha=3$ より $\alpha\approx71.57^{\circ}$、$\tan\beta=\dfrac12$ より $\beta\approx26.57^{\circ}$ で、その差はちょうど $\alpha-\beta\approx45.00^{\circ}$ となり、$\tan45^{\circ}=1$ と一致します。)

答え:$\tan\theta=1$

総合問題4

問題

$x>1$ のとき、$\log_2x+\log_x16$ の最小値を求めよ。

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単元の組み合わせ: 指数関数・対数関数の底の変換公式と、いろいろな式で学んだ相加平均・相乗平均の関係(不等式の証明)を組み合わせる問題です。

まず、$\log_x16$ を底が $2$ の対数に変換します。底の変換公式 $\log_ab=\dfrac{\log_cb}{\log_ca}$ を使うと、

$\log_x16 = \frac{\log_216}{\log_2x}$

$16=2^4$ なので $\log_216=4$ です。ここで $t=\log_2x$ とおくと、

$\log_2x+\log_x16 = t+\frac4t$

$x>1$ のとき $\log_2x>0$(底 $2$ は $1$ より大きいので、$x$が$1$より大きければ対数の値も正になります)なので、$t>0$ です。

$t>0$ かつ $\dfrac4t>0$ なので、相加平均・相乗平均の関係($a>0,b>0$ のとき $a+b\ge2\sqrt{ab}$ で、等号は $a=b$ のとき成立する、という不等式)を $a=t$、$b=\dfrac4t$ に対して使うことができます。

$t+\frac4t \ge 2\sqrt{t\times\frac4t} = 2\sqrt4 = 2\times2=4$

等号が成立するのは $t=\dfrac4t$ のとき、つまり $t^2=4$ より $t=2$($t>0$ なので $t=-2$ は不適)のときです。

$t=\log_2x=2$ より $x=2^2=4$ です。

したがって、$\log_2x+\log_x16$ の最小値は、$x=4$ のとき $4$ です。

検算: $x=4$ を直接代入して確認します。$\log_24=2$ です。$\log_416$ は「$4$を何乗すると$16$になるか」なので、$4^2=16$ より $\log_416=2$ です。よって $\log_24+\log_416=2+2=4$ となり、確かに最小値 $4$ と一致します。

答え:$x=4$のとき最小値 $4$

総合問題5

問題

3次関数 $f(x)=x^3-3x^2-9x+a$($a$は定数)が極大値 $5$ をとるとする。

(1) $a$ の値を求めよ。

(2) (1)のときの $f(x)$ について、方程式 $f(x)=0$ の実数解の個数を求めよ。

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単元の組み合わせ: 微分・積分の考えの増減・極値の判定に、いろいろな式の因数定理を組み合わせて方程式の実数解の個数を調べる問題です。

(1)

$f(x)$ を微分すると、

$f'(x) = 3x^2-6x-9 = 3(x^2-2x-3) = 3(x-3)(x+1)$

$f'(x)=0$ となるのは $x=-1,3$ のときです。$f'(x)$ の符号を調べる(増減表を作る)と、$x<-1$ で $f'(x)>0$(増加)、$-13$ で $f'(x)>0$(増加)となるので、$x=-1$ で極大、$x=3$ で極小です。

極大値は $f(-1)$ です。

$f(-1) = (-1)^3-3(-1)^2-9(-1)+a = -1-3+9+a = 5+a$

これが $5$ に等しいので、$5+a=5$ より $a=0$ です。

(2)

$a=0$ のとき、$f(x)=x^3-3x^2-9x$ です。$f(0)=0$ なので、因数定理(方程式 $f(x)=0$ の解 $x=c$ が見つかれば、$f(x)$ は $(x-c)$ で割り切れる、という定理)より、$f(x)$ は $x$ を因数にもちます。実際、

$f(x) = x(x^2-3x-9)$

となっています(展開すれば元の式に戻ることを確認できます)。$x^2-3x-9=0$ を解くと、判別式は $D=(-3)^2-4\times1\times(-9)=9+36=45>0$ なので、異なる2つの実数解

$x = \frac{3\pm\sqrt{45}}{2} = \frac{3\pm3\sqrt5}{2}$

をもちます。これらは $x=0$ とは異なる値です(仮に $x=0$ が $x^2-3x-9=0$ の解だとすると $-9=0$ となり矛盾するので、$0$ は解にならないことがわかります)。

したがって、$f(x)=0$ の実数解は、$x=0$ と $x=\dfrac{3\pm3\sqrt5}2$ の合計 3個 です。

グラフによる確認: $a=0$ のとき、極大値は $f(-1)=5>0$、極小値は $f(3)=3^3-3\times3^2-9\times3=27-27-27=-27<0$ です。3次関数のグラフは、極大値が正で極小値が負のとき、$x$軸を3回横切る($x$の増加とともに、グラフが下から上へ、極大点の後に上から下へ、極小点の後にまた下から上へと3回$x$軸をまたぐ)ので、実数解はちょうど3個になります。この事実は、因数分解で求めた解の個数(3個)と一致しており、答えの正しさを裏づけています。

答え:(1) $a=0$ (2) 3個

総合問題6

問題

3次関数 $y=x^3-3x$ のグラフの外側にある点 $\mathrm A(2,0)$ から、このグラフに引ける接線は何本あるか答えよ。

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単元の組み合わせ: 図形と方程式の直線の方程式(点と傾きから直線を表す考え方)を使って接線の式を立て、微分・積分の考えの導関数・増減表を使って、その式を満たす接点の個数を調べる問題です。

接線の式を立てる

接点を $\left(t,\ t^3-3t\right)$(曲線上の点なので、$y$座標を $x=t$ での関数の値で表しています)とします。$y=x^3-3x$ を微分すると $y'=3x^2-3$ なので、この点における接線の傾きは $3t^2-3$ です。

接線は、点 $(t,t^3-3t)$ を通り、傾き $3t^2-3$ の直線なので、直線の方程式(点と傾きを与えたときの直線の式 $y-y_1=m(x-x_1)$)を使うと、

$y-(t^3-3t) = (3t^2-3)(x-t)$

点Aを通る条件

この接線が点 $\mathrm A(2,0)$ を通るので、$x=2$、$y=0$ を代入します。

$0-(t^3-3t) = (3t^2-3)(2-t)$

左辺は $-t^3+3t$ です。右辺を展開すると、

$(3t^2-3)(2-t) = 6t^2-3t^3-6+3t = -3t^3+6t^2+3t-6$

両辺を等号で結びます。

$-t^3+3t = -3t^3+6t^2+3t-6$

右辺をすべて左辺に移項します。

$-t^3+3t+3t^3-6t^2-3t+6 = 0 \quad\Longrightarrow\quad 2t^3-6t^2+6=0$

両辺を $2$ で割ると、

$t^3-3t^2+3=0$

点Aから引ける接線の本数は、この $t$ についての方程式が異なる実数解をいくつもつかで決まります(接点の候補 $t$ の値が異なれば、傾きも異なる別々の接線になります)。

実数解の個数を調べる

$g(t)=t^3-3t^2+3$ とおき、微分して増減を調べます。

$g'(t) = 3t^2-6t = 3t(t-2)$

$g'(t)=0$ となるのは $t=0,2$ です。増減表を作ると、$t<0$ で増加、$02$ で増加となるので、$t=0$ で極大、$t=2$ で極小です。

$g(0) = 3, \qquad g(2) = 2^3-3\times2^2+3 = 8-12+3=-1$

極大値 $g(0)=3$ は正、極小値 $g(2)=-1$ は負です。3次関数のグラフで、極大値が正・極小値が負のときは、そのグラフは $x$軸(ここでは $t$軸)とちょうど3回交わるので、$g(t)=0$ は異なる3つの実数解をもちます。

3つの異なる $t$(接点の $x$座標)が存在し、それぞれに対応する接線の傾き $3t^2-3$ は互いに異なる値になります(同じ傾きになるには $t_1^2=t_2^2$ が必要ですが、$g(t)=0$ の3つの解は絶対値もすべて異なることが増減表の形から確認できます)。したがって、3つの接点はそれぞれ別々の接線を与え、点Aから引ける接線は全部で 3本 です。

答え:3本

総合問題7

問題

$x>0$、$y>0$ とする。$\log_2x+\log_2y=2$ を満たす点 $\mathrm P(x,y)$ を考えるとき、線分 $\mathrm{OP}$($\mathrm O$は原点)の長さの最小値を求めよ。

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単元の組み合わせ: 指数関数・対数関数(対数の性質)、図形と方程式(座標平面上の点と原点との距離)、いろいろな式(相加平均・相乗平均、または平方の性質を使った不等式)の3つを組み合わせた、この総合演習の締めくくりの問題です。

条件の言い換え

対数の性質 $\log_2x+\log_2y=\log_2(xy)$(対数どうしの足し算は、真数どうしのかけ算になる)を使うと、条件は、

$\log_2(xy) = 2$

これは $xy=2^2=4$ ということです。つまり、点 $\mathrm P(x,y)$ は、$x>0,y>0$ の範囲で $xy=4$ を満たす点、ということになります。

距離の最小値を考える

$\mathrm{OP}$ の長さは、2点間の距離の公式より、

$\mathrm{OP} = \sqrt{x^2+y^2}$

$\mathrm{OP}$ を直接最小にする代わりに、$\mathrm{OP}^2=x^2+y^2$ を最小にすることを考えます($x^2+y^2\ge0$ の範囲では、この値が小さいほど $\mathrm{OP}$ も小さくなるからです)。

ここで、任意の実数 $x,y$ について成り立つ不等式 $x^2+y^2\ge2xy$(これは $(x-y)^2\ge0$ を展開して $x^2-2xy+y^2\ge0$、すなわち $x^2+y^2\ge2xy$ となることから導かれます。等号は $x=y$ のとき成立します)を使います。

$\mathrm{OP}^2 = x^2+y^2 \ge 2xy = 2\times4=8$

(最後に条件 $xy=4$ を使いました。)等号は $x=y$ のときに成立します。$x=y$ と $xy=4$ を同時に満たす($x,y>0$ なので)値を求めると、

$x^2=4 \quad\Longrightarrow\quad x=2 \quad(\because x>0)$

より、$x=y=2$ です。このとき、$\mathrm{OP}^2=2^2+2^2=8$ で、$\mathrm{OP}^2$ の最小値は $8$ です。

$\mathrm{OP}=\sqrt{\mathrm{OP}^2}$ なので、$\mathrm{OP}$ の最小値は、

$\sqrt8 = 2\sqrt2$

検算: $x=y=2$ のとき、条件 $\log_2x+\log_2y=2$ を直接確認すると、$\log_22+\log_22=1+1=2$ となり、確かに条件を満たしています。またこのとき $\mathrm{OP}=\sqrt{2^2+2^2}=\sqrt8=2\sqrt2$ で、最小値の計算と一致します。

答え:$2\sqrt2$