数学I
総合演習
この総合演習について
これまでの単元別の章末問題は、1つの単元の中で完結する問題ばかりでした。しかし実際の入試問題(とくに大学入学共通テストや、各大学の個別試験)では、1つの大問の中で複数の単元の知識を同時に使わせる問題がよく出題されます。たとえば「図形の条件を式で表し、その式を2次関数とみなして最大値を求める」といった具合です。
この総合演習では、数学Iの4つの単元――数と式、図形と計量、二次関数、データの分析――のうち、2つ以上を組み合わせた問題を6問用意しました。どの2単元(または3単元)が組み合わさっているかを解説の中で明示しているので、「あ、ここで単元をまたいでいるんだな」という感覚をつかみながら取り組んでみてください。
総合問題1
問題
三角形 $ABC$ において、辺 $AB$ の長さを $x$、辺 $AC$ の長さを $6-x$ とし($0 (1) 三角形 $ABC$ の面積 $S$ を、$x$ を用いた式で表せ。 (2) $S$ が最大となる $x$ の値と、そのときの $S$ の最大値を求めよ。 (3) (2)のときの辺 $BC$ の長さを求めよ。 単元の組み合わせ: (1)は図形と計量の面積公式、(2)は二次関数の平方完成、(3)は再び図形と計量の余弦定理を使います。 (1) 三角形の面積公式(2辺の長さとその間の角がわかっているときに使える公式)は、 $S = \frac{1}{2}\times AB \times AC \times \sin A$ でした。$AB=x$、$AC=6-x$、$\angle A=60^{\circ}$ を代入します。$\sin 60^{\circ}=\dfrac{\sqrt3}{2}$ なので、 $S = \frac{1}{2}\,x(6-x)\times\frac{\sqrt3}{2} = \frac{\sqrt3}{4}\,x(6-x)$ (2) ここからは $x(6-x)$ の部分を2次関数とみなして、最大値を考えます。展開すると $x(6-x) = -x^2+6x$ これを平方完成します。$x^2$ の係数 $-1$ でくくり出すと、 $-x^2+6x = -(x^2-6x) = -\left[(x-3)^2-9\right] = -(x-3)^2+9$ $(x-3)^2 \ge 0$ なので、$-(x-3)^2 \le 0$ であり、 $x(6-x) = -(x-3)^2+9 \le 9$ 等号(イコールが成り立つの)は $x=3$ のときです。$0 したがって、 $S = \frac{\sqrt3}{4}\,x(6-x) \le \frac{\sqrt3}{4}\times 9 = \frac{9\sqrt3}{4}$ $S$ の最大値は $x=3$ のとき $\dfrac{9\sqrt3}{4}$ です。 (3) $x=3$ のとき $AB=3$、$AC=6-3=3$ なので、$AB=AC=3$ の二等辺三角形です。余弦定理 $BC^2 = AB^2+AC^2-2\cdot AB\cdot AC\cdot\cos A$ に $AB=3$、$AC=3$、$\cos60^{\circ}=\dfrac12$ を代入すると、 $BC^2 = 3^2+3^2-2\times3\times3\times\frac12 = 9+9-9=9$ $BC>0$ なので $BC=3$ です。 $AB=AC=BC=3$ となり、実は正三角形(1辺60°の角をもつ二等辺三角形は正三角形になります)であったことがわかります。1辺 $3$ の正三角形の面積は、公式 $\dfrac{\sqrt3}{4}a^2$ に $a=3$ を代入すると $\dfrac{\sqrt3}{4}\times9=\dfrac{9\sqrt3}{4}$ となり、(2)の答えとぴったり一致します。これは検算としても使えます。 答え:(1) $S=\dfrac{\sqrt3}{4}x(6-x)$ (2) $x=3$ のとき最大値 $\dfrac{9\sqrt3}{4}$ (3) $BC=3$ 問題 あるクラスの5人の生徒が受けた小テストの得点は、$3$点、$5$点、$6$点、$8$点、$10$点であった。実数 $a$ に対して、次の関数を考える。 $f(a) = (3-a)^2+(5-a)^2+(6-a)^2+(8-a)^2+(10-a)^2$ (1) $f(a)$ を $a$ について整理し、平方完成せよ。 (2) $f(a)$ を最小にする $a$ の値と、そのときの最小値を求めよ。 (3) (2)で求めた $a$ の値は、5人の得点のどの代表値と一致するか。また、(2)の最小値を $5$(データの個数)で割った値は、データの分析で学んだどの量と一致するか、理由とともに述べよ。 単元の組み合わせ: $f(a)$ を $a$ の二次関数とみなして平方完成で最小値を求め、その結果をデータの分析の代表値・分散と結びつける問題です。 (1) $(x_i-a)^2 = x_i^2-2ax_i+a^2$ の形を使って、5つの項をすべて展開します。 $f(a) = \sum(x_i^2-2ax_i+a^2) = \left(\sum x_i^2\right) - 2a\left(\sum x_i\right) + 5a^2$ ここで、$\sum x_i = 3+5+6+8+10=32$、$\sum x_i^2 = 3^2+5^2+6^2+8^2+10^2 = 9+25+36+64+100=234$ です。したがって、 $f(a) = 5a^2 - 64a + 234$ これを平方完成します。$a^2$ の係数 $5$ でくくり出すと、 $f(a) = 5\left(a^2-\frac{64}{5}a\right)+234$ かっこの中を平方完成します。$\left(a-\dfrac{32}{5}\right)^2 = a^2-\dfrac{64}{5}a+\dfrac{1024}{25}$ なので、 $a^2-\frac{64}{5}a = \left(a-\frac{32}{5}\right)^2-\frac{1024}{25}$ これを代入すると、 $f(a) = 5\left[\left(a-\frac{32}{5}\right)^2-\frac{1024}{25}\right]+234 = 5\left(a-\frac{32}{5}\right)^2-\frac{1024}{5}+234$ $234=\dfrac{1170}{5}$ なので、$-\dfrac{1024}{5}+\dfrac{1170}{5}=\dfrac{146}{5}$ となり、 $f(a) = 5\left(a-\frac{32}{5}\right)^2+\frac{146}{5}$ (2) $\left(a-\dfrac{32}{5}\right)^2 \ge 0$ なので、$f(a)$ は $a=\dfrac{32}{5}$ のときに最小値 $\dfrac{146}{5}$ をとります。$\dfrac{32}{5}=6.4$、$\dfrac{146}{5}=29.2$ です。 (3) $\dfrac{32}{5}=6.4$ は、5人の得点の平均値です。実際、$(3+5+6+8+10)\div5 = 32\div5=6.4$ となり一致します。 これは偶然ではありません。$f(a)$ は「各データと $a$ との差の2乗の和」を表しているので、$f(a)$ を最小にする $a$ を求める、というのは「データ全体から一番『距離』が近くなる基準点を探す」ことに相当します。そして、その基準点はちょうど平均値になる、というのが今回の計算からわかった事実です。 さらに、(2)の最小値 $29.2$ を $5$ で割ると、 $\frac{29.2}{5} = 5.84$ これは、このデータの分散の値と一致します。分散の定義は $\dfrac{1}{n}\displaystyle\sum(x_i-\bar x)^2$(各データと平均値との差の2乗の平均)でした。今回、$f(a)$ の $a$ に平均値 $\bar x=6.4$ を代入した値がまさに $\displaystyle\sum(x_i-\bar x)^2$ であり、それを $5$ で割ったものが分散の定義そのものだからです。 つまりこの問題は、「平均値は、データ全体との差の2乗の和を最小にする値である」「その最小の和を個数で割ったものが分散である」という、データの分析の背後にある2次関数的な仕組みを確かめる問題でした。 答え:(1) $f(a)=5\left(a-\dfrac{32}{5}\right)^2+\dfrac{146}{5}$ (2) $a=\dfrac{32}{5}(=6.4)$ のとき最小値 $\dfrac{146}{5}(=29.2)$ (3) 平均値/分散(理由は解説の通り) 問題 $k$ を実数の定数とする。$x$ についての2次方程式 $x^2-4x+k=0$ を考え、次の2つの命題を考える。 (1) 命題 $P$ が成り立つための $k$ の値の範囲を求めよ。 (2) $P$ は $Q$ であるためのどのような条件か。「必要十分条件である」「十分条件だが必要条件ではない」「必要条件だが十分条件ではない」「必要条件でも十分条件でもない」のうち、あてはまるものを1つ選び、理由とともに述べよ。 単元の組み合わせ: 二次関数の判別式・解の公式を使って $P$ の条件を求め、それを数と式で学んだ必要条件・十分条件の判定に応用する問題です。 (1) 2次方程式 $x^2-4x+k=0$ に解の公式を使うと、 $x = \frac{-(-4)\pm\sqrt{(-4)^2-4\times1\times k}}{2\times1} = \frac{4\pm\sqrt{16-4k}}{2} = 2\pm\sqrt{4-k}$ 「異なる2つの正の実数解をもつ」ためには、次の2つの条件が両方とも必要です。 条件(i):実数解が異なる2つ存在すること 根号の中身が正でなければ実数として異なる2つの値になりません。 $4-k>0 \quad\Longrightarrow\quad k<4$ 条件(ii):2つの解がどちらも正であること 2つの解は $2+\sqrt{4-k}$ と $2-\sqrt{4-k}$ です。$\sqrt{4-k}\ge0$ なので、大きいほうの解 $2+\sqrt{4-k}$ は常に $2$ 以上であり、自動的に正です。したがって、小さいほうの解 $2-\sqrt{4-k}$ が正であることさえ確認すればよいことになります。 $2-\sqrt{4-k}>0 \quad\Longrightarrow\quad \sqrt{4-k}<2$ 両辺とも $0$ 以上なので、2乗しても不等号の向きは変わりません。 $4-k<4 \quad\Longrightarrow\quad k>0$ 条件(i)の $k<4$ と条件(ii)の $k>0$ を同時に満たす範囲を求めると、 $0 (2) (1)より、命題 $P$「異なる2つの正の実数解をもつ」が成り立つための条件は、ちょうど $0 $P$ が成り立つ($0 一方、$Q$ が成り立つ($k<4$)からといって、$P$ が成り立つとは限りません。たとえば $k=-3$ は $Q$($-3<4$)を満たしますが、$P$(異なる2つの正の実数解をもつ)は満たしません。実際、$k=-3$ のとき方程式は $x^2-4x-3=0$ となり、解は $x=2\pm\sqrt7$ です。$\sqrt7 \approx 2.65$ なので、小さいほうの解 $2-\sqrt7 \approx -0.65$ は負になってしまい、「2つとも正」という条件を満たしません。したがって $Q\Rightarrow P$ は偽であり、$k=-3$ がその反例です。 $P\Rightarrow Q$ は真だが $Q\Rightarrow P$ は偽なので、$P$ は $Q$ であるための十分条件だが必要条件ではない条件です。 答え:(1) $0 問題 三角形 $ABC$ において、$AB=\sqrt3+1$、$AC=\sqrt3-1$、$\angle A=60^{\circ}$ とする。 (1) $AB^2$、$AC^2$、$AB\times AC$ の値をそれぞれ求めよ。 (2) 余弦定理を用いて、辺 $BC$ の長さを求めよ。 (3) 三角形 $ABC$ の面積を求めよ。 (4) 正弦定理を用いて、三角形 $ABC$ の外接円の半径 $R$ を求めよ。 単元の組み合わせ: 数と式の乗法公式(展開の公式)を使って根号を含む式を整理し、その結果を図形と計量の余弦定理・正弦定理に利用する問題です。 (1) 乗法公式 $(a+b)^2=a^2+2ab+b^2$、$(a-b)^2=a^2-2ab+b^2$、$(a+b)(a-b)=a^2-b^2$ を使います。 $AB^2 = (\sqrt3+1)^2 = (\sqrt3)^2+2\times\sqrt3\times1+1^2 = 3+2\sqrt3+1 = 4+2\sqrt3$ $AC^2 = (\sqrt3-1)^2 = (\sqrt3)^2-2\times\sqrt3\times1+1^2 = 3-2\sqrt3+1 = 4-2\sqrt3$ $AB\times AC = (\sqrt3+1)(\sqrt3-1) = (\sqrt3)^2-1^2 = 3-1 = 2$ (2) 余弦定理 $BC^2=AB^2+AC^2-2\cdot AB\cdot AC\cdot\cos A$ を使います。(1)の結果より、 $AB^2+AC^2 = (4+2\sqrt3)+(4-2\sqrt3) = 8$ ($+2\sqrt3$ と $-2\sqrt3$ が打ち消し合うことに注目してください。)$\cos60^{\circ}=\dfrac12$ なので、 $BC^2 = 8 - 2\times2\times\frac12 = 8-2 = 6$ $BC>0$ なので、$BC=\sqrt6$ です。 (3) 面積公式 $S=\dfrac12\cdot AB\cdot AC\cdot\sin A$ に、(1)の $AB\times AC=2$ と $\sin60^{\circ}=\dfrac{\sqrt3}{2}$ を代入します。 $S = \frac12\times2\times\frac{\sqrt3}{2} = \frac{\sqrt3}{2}$ (4) 正弦定理 $\dfrac{BC}{\sin A}=2R$ より、 $R = \frac{BC}{2\sin A} = \frac{\sqrt6}{2\times\frac{\sqrt3}{2}} = \frac{\sqrt6}{\sqrt3}$ 分母を有理化するのではなく、根号の中で割り算をする方が簡単です。$\sqrt6\div\sqrt3=\sqrt{6\div3}=\sqrt2$ なので、 $R=\sqrt2$ このように、(1)で根号を含む式をあらかじめ整理しておくことで、(2)以降の余弦定理・正弦定理の計算がとてもすっきりと進むことがわかります。根号を含む三角形の問題では、まず辺の2乗や積の形を先に計算しておくのが定石です。 答え:(1) $AB^2=4+2\sqrt3$、$AC^2=4-2\sqrt3$、$AB\times AC=2$ (2) $BC=\sqrt6$ (3) $S=\dfrac{\sqrt3}{2}$ (4) $R=\sqrt2$ 問題 5人の生徒A~Eについて、家庭学習時間 $x$(時間)と小テストの得点 $y$(点)を調べたところ、次の表のようになった。 (1) $x$ の平均 $\bar x$、分散 $s_x^2$、標準偏差 $s_x$ を求めよ。 (2) $y$ の平均 $\bar y$、分散 $s_y^2$、標準偏差 $s_y$ を求めよ。 (3) $x$ と $y$ の共分散 $s_{xy}$ を求めよ。 (4) $x$ と $y$ の相関係数 $r$ を求めよ。ただし、分母に根号が現れる場合は、分母を有理化した形で答えること。 単元の組み合わせ: データの分析の相関係数の計算に、数と式で学んだ根号の計算・分母の有理化を使う問題です。 (1) $\bar x = \frac{1+2+3+4+5}{5} = \frac{15}{5} = 3$ 各データの偏差(平均との差)$x_i-\bar x$ は、$-2,-1,0,1,2$ です。分散は偏差の2乗の平均なので、 $s_x^2 = \frac{(-2)^2+(-1)^2+0^2+1^2+2^2}{5} = \frac{4+1+0+1+4}{5} = \frac{10}{5}=2$ 標準偏差は分散の正の平方根なので、$s_x=\sqrt2$ です。 (2) $\bar y = \frac{2+6+4+5+8}{5} = \frac{25}{5}=5$ 各データの偏差 $y_i-\bar y$ は、$-3,1,-1,0,3$ です。 $s_y^2 = \frac{(-3)^2+1^2+(-1)^2+0^2+3^2}{5} = \frac{9+1+1+0+9}{5}=\frac{20}{5}=4$ $s_y = \sqrt4 = 2$ です(ちょうど根号がはずれてくれました)。 (3) 共分散は、$x$ の偏差と $y$ の偏差の「積」の平均です。生徒ごとに偏差の積 $(x_i-\bar x)(y_i-\bar y)$ を計算します。 これらの和は $6+(-1)+0+0+6=11$ なので、 $s_{xy} = \frac{11}{5} = 2.2$ (4) 相関係数の定義は $r=\dfrac{s_{xy}}{s_x\, s_y}$ です。(1)~(3)の結果を代入すると、 $r = \frac{\frac{11}{5}}{\sqrt2\times2} = \frac{\frac{11}{5}}{2\sqrt2} = \frac{11}{5}\times\frac{1}{2\sqrt2} = \frac{11}{10\sqrt2}$ 分母に根号が残っているので、有理化します。分母・分子に $\sqrt2$ をかけると、 $r = \frac{11}{10\sqrt2}\times\frac{\sqrt2}{\sqrt2} = \frac{11\sqrt2}{10\times2} = \frac{11\sqrt2}{20}$ $\sqrt2\approx1.414$ を使って小数で見積もると、$r\approx\dfrac{11\times1.414}{20}\approx\dfrac{15.55}{20}\approx0.78$ です。$r$ が $1$ に近い正の値なので、家庭学習時間が長い生徒ほど得点も高い傾向、つまり正の強い相関があると言えます。 答え:(1) $\bar x=3$、$s_x^2=2$、$s_x=\sqrt2$ (2) $\bar y=5$、$s_y^2=4$、$s_y=2$ (3) $s_{xy}=2.2$ (4) $r=\dfrac{11\sqrt2}{20}\ (\approx0.78)$ 問題 文化祭の企画で、生徒たちが校舎の高さを測定することにした。測定者の目の高さは $1.5\,\mathrm m$ とし、校舎から水平に距離をとった地点から屋上を見上げる角度(仰角、見上げる角度のこと)を測って、校舎の高さを見積もる。 (1) A班は、校舎から $30\,\mathrm m$ 離れた地点で、仰角がちょうど $30^{\circ}$ になる場所を見つけた。このときの校舎の高さの推定値を求めよ。$\tan30^{\circ}=\dfrac{\sqrt3}{3}$ を用いてよい。 (2) 5つの班(A~E)が、それぞれ「仰角がちょうど $30^{\circ}$ になる地点」を独自に探して校舎からの距離を測定したところ、$28\,\mathrm m$、$32\,\mathrm m$、$30\,\mathrm m$、$29\,\mathrm m$、$31\,\mathrm m$ であった。この5つの距離データの平均、分散、標準偏差を求めよ。 (3) (2)の標準偏差の値から、5つの班の測定にはどの程度のばらつきがあると言えるか、簡単に述べよ。また、(2)で求めた平均の距離を使って校舎の高さを再推定すると、(1)の推定値と比べてどうなるか説明せよ。 単元の組み合わせ: 図形と計量の三角比(タンジェント)を使った測量の考え方と、データの分析の代表値・分散・標準偏差を組み合わせた問題です。 (1) 下の図のように、測定者の目の位置を頂点とする直角三角形を考えます。水平方向の辺の長さが $30\,\mathrm m$、仰角が $30^{\circ}$ のとき、目の高さから屋上までの高さ(垂直方向の辺の長さ)を $h$ とすると、タンジェントの定義(隣辺に対する対辺の比)より、 $\tan30^{\circ} = \frac{h}{30}$ これを $h$ について解き、$\tan30^{\circ}=\dfrac{\sqrt3}{3}$ を代入すると、 $h = 30\times\tan30^{\circ} = 30\times\frac{\sqrt3}{3} = 10\sqrt3$ これは「目の高さから屋上までの高さ」なので、校舎の高さ(地面から屋上まで)は、これに目の高さ $1.5\,\mathrm m$ を加えたものです。 $10\sqrt3+1.5$ $\sqrt3\approx1.732$ なので、$10\sqrt3\approx17.32$、校舎の高さの推定値は約 $17.32+1.5=18.82\,\mathrm m$ です。 (2) 5つのデータ $28, 32, 30, 29, 31$ の平均は、 $\frac{28+32+30+29+31}{5} = \frac{150}{5} = 30$ 各データの偏差(平均 $30$ との差)は、$-2, 2, 0, -1, 1$ です。分散は偏差の2乗の平均なので、 $\frac{(-2)^2+2^2+0^2+(-1)^2+1^2}{5} = \frac{4+4+0+1+1}{5} = \frac{10}{5}=2$ 標準偏差は分散の正の平方根なので、$\sqrt2\,\mathrm m$($\approx1.41\,\mathrm m$)です。 (3) 平均の距離が $30\,\mathrm m$ に対して標準偏差が $\sqrt2\approx1.41\,\mathrm m$ ということは、5つの班の測定値は平均から $1.4\,\mathrm m$ ほどのばらつきしかなく、$30\,\mathrm m$ 前後によく揃っていると言えます(測定値のばらつきの割合はおよそ $\dfrac{1.41}{30}\approx4.7\%$ で、比較的精度の良い測定だったと考えられます)。 さらに、5つの班の平均の距離はちょうど $30\,\mathrm m$ であり、これは(1)でA班が実際に使った距離 $30\,\mathrm m$ とまったく同じ値です。したがって、平均の距離を使って校舎の高さを再推定しても、 $10\sqrt3+1.5 \approx 18.82\,\mathrm m$ と、(1)の推定値と完全に一致します。標準偏差が小さく測定のばらつきも小さいことから、この $18.82\,\mathrm m$ という推定値は信頼できる値だと考えてよいでしょう。 答え:(1) 約 $18.82\,\mathrm m$($10\sqrt3+1.5\,\mathrm m$) (2) 平均 $30\,\mathrm m$、分散 $2$、標準偏差 $\sqrt2\,\mathrm m$ (3) 標準偏差が平均に比べて小さく測定は安定しており、平均距離を使った再推定値は(1)と一致する解答・解説を見る
総合問題2
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総合問題3
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総合問題4
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総合問題5
生徒
A
B
C
D
E
$x$
1
2
3
4
5
$y$
2
6
4
5
8
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総合問題6
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